Fragment

A君とB君の話。

そこに、とても幸せで幸せなA君が歩いています。 すると、猫背で下を向き、iPodのイヤフォンで耳をふさいだB君が通りかかりました。 B君の姿は、負のオーラで溢れていました。 ところが、A君は幸せで幸せで、B君の肩を思いっきり叩くのです。 びっくりしたB…

甘え

悲しいふりをして、人が優しくなるのなら。 疲れたふりをして、人が優しくなるのなら。 不幸なふりをして、人が優しくなるのなら。 卑屈なふりをして、人が優しくなるのなら。 そんな甘えを胸に抱いて、今日も僕は負をばらまく。 変な考え方面白いねって、笑…

biography of PAINRAINS(1)

朝目覚めたとき、少年の身体には、不思議な力がみなぎっていた。 そんな突拍子もない冒頭から、始まる物語があるとしたら、君達は聞いてくれるだろうか。 長い長い夢を見た。 そこで僕は、6番目の街の20番地にある映画館にいた。 劇場には僕一人だけが居て、…

流れ星の見つからない夜

友達とキャンプに行った日の夜、山の中の小屋に泊まった。 みんなが疲れて眠る中、一人外で、煙草をくわえながら星空を見た。 首が痛くなるくらい、ずっと見上げていた。 ヘッドフォンからは、こんな言葉が聞こえてきた。 どうせいつかは嫌われるなら 愛した…

ほんの少しだけ心が折れた少年の話。

優しさが欲しくなったとき、彼は尋ねた。 ホントウとウソのどちらが大事なのかを。 「ホントウを知ると傷つく。だけど僕はホントウを知りたいよ」 少し悲しい目をしたお兄さんは、そう答えた。 「ホントウなんてこの世にはないんだよ。だからホントウに似た…

くるり「街」より

夕暮れのスーパーマーケットの前で吸うタバコや それをみて微笑む愛する君のまなざしも 青すぎる空を飛び交うミサイルがここからは見えない

お前を乗せてる Saturday night

Saturday night お前を乗せてる Saturday night なにか透き通って Saturday night お前を乗せてる Saturday night すべてがいいんだ 身体中で感じてみたい どれくらい凄いか知りたいんだ 生きてるってことを ダッシュボード 銀ラメの夜 猛スピードで気を失っ…

Re-birth

ありがとう、魔法の言葉は力をなくしたよ。 今ここに、そっと線を引いて。 僕はその向こうに行く。 震えながら、不安いっぱいになりながら。 一番大切なものは何? もう一度思い出してみて。 今度はもう少し、素敵な答えが見つかるでしょ。 ただの言葉になっ…

Re-introduction3

魔法の言葉を覚えた。 淡い白色で、透き通ってて、歪んでいて。 切なくて、哀しくて、愛しくて。 そんな、僕にとって「一番現実から遠い場所」に繋がる、鍵みたいなモノ。 でももう、当分口に出すことはない。 僕がここに、帰れなくなるから。 歪みに寄り添…

そのシャンプーの匂いかぎたいな

あと10秒で 世界が終わる そんな瞬間が いつか来たら その10秒で 君に触る それ以外は ねぇ 何もねぇ あと10秒で 此処から消える そんな瞬間が いつか来たら そのシャンプーの匂いかぎたいな 猿みたいに なぁ 触りたいな 「ART-SCHOOL/あと10秒で」より

Re-introduction2

12月に、失うつもりだったのに。 もう2つも、僕の手の中の小さな灯は消えた。 とめどない喪失、喪失、喪失。 失って失って失って失って・・・・・・。 僕はわがままで、つかめないモノばかりに手を伸ばして。 届かないモノにばかり手を伸ばして。 感触がなく…

Re-introduction

それは、待っていた。 待っていたんだ、と思う。 僕の心の隅っこに、そっと場所をとって。 きっかけは、些細なものだった。 でもそれは、どうしようもないくらい必然で。 その些細さえも予定調和なんじゃないかって思う。 12月。 たくさん、たくさん失っても…

愛だの恋だのばっか考えて生きるのが夢だって言ったら、君は笑うかなあ?

「あきらめよ」と諭す回路に 君がそっと侵入してきて 何食わぬ顔で 夢をチラつかす 「CANDY/Mr.Children」より

日常がどんどん色を失っていく錯覚

名作と呼ばれる作品を観たり 聞いたり 読みあさったりして 大人を気取って 少し無理して暮らした だけど君の事となると 途端に分からなくなる 「僕らの音/Mr.Children」より

この寝顔を遠い向こうに奪うだけ・・・(Flava/SUPERCAR)

どうしてだろう。願ったって、願ったって。この笑顔を遠い向こうに奪うだけだった。何かが自分の中で歪んでいる感覚が、自分の人生がメキメキとひずんでいく音に耳を澄ますのが、楽しくて仕方なかった。でも、それは最初だけだった。外れそうで、外れきらな…