Poem

ループ

安心したかい? 君の毎日はコピーなんだ 君の今日は 君の昨日 君の明日は 君の今日 君の明後日は 一年前のあの雪の日 まだ気付いてないのかい? クライマックスはもう終わったんだ あとはその 毎日を繰り返すだけ 「彼らはこうして 幸せになりました めでた…

レイン

朝目覚めたら、真っ白な部屋にいた、 だんだん目が、その白さに慣れてくると、見えてくるのは、 僕の、時計。 僕の、時間。最近壊れてしまったのか、せわしない、秒針。 その隣には、破れてしまった、歌詞カード。 僕の言葉。かすれて読めない、僕の言葉。 …

ろうそく

僕は君に手を伸ばす それはとても柔らかい 僕は君にキスをする それはとても甘ったるい 僕は君を抱きしめる それはとても暖かい でも君は言う 全部嘘なんだよって 僕の隣には悪魔が住んでいる 僕が幸せになり過ぎないように見張ってるんだ そして冷たい水を…

僕は昔、空を飛べた。嘘じゃない、それはもう、自由自在に飛べたんだ。 でも今は、なんだか飛べなくなってしまった。 だってさ、空って青いんだ。 こんなにも青い空を飛んだら…… ねえ、どうして空ってこんなに青いんだろう。 ねえ、誰がこんなに空を青くして…

LOVE

君が何も見えないように、僕は君の目を覆った。 君が何も聞こえないように、僕は君の耳をふさいだ。 君が何か言いかけたから、僕は君にキスをした。 恐る恐る目を開けると、君は首をかしげていた。 君が何処にも行かないように、僕は君の手を握った。 君が何…

詩を書く

君の曲を聞いていると、僕は無性に詩が書きたくなるんだ。 内容は後回しさ、とにかく格好いいやつだ。 綺麗すぎて、嘘になってもいいよ。 格好悪いのが一番いけないんだ。 ――君はカバンにほんの少しの荷物を詰めて、出て行った。 僕はたくさんたくさん泣いて…

目が覚めると僕は震えていた 目が覚めると僕は震えていた 僕が手に入れたもの全ては 蝋燭の火のように不安定に揺れていた 永遠に続くものなんて一つもなかった 夢の中で僕はバンドを組んでいた メンバーの中に一人の女がいた 彼女はこう言って僕を急かした …

悲しみを探す駅

駅の構内で、傘も差さずに濡れながら立っている少年がいました。 僕はその子の後ろにそっと近づいて、 濡れた髪に隠れた耳元に、ささやきました。 「どうしてそんなに、悲しそうにしているの?」 「悲しむ理由が見付からないからだよ。」 そうやって、彼は空…

Re-birthday

悪魔と僕が手を取り合って生まれた日から12番目の夜 月と星と夜の海を戯れ 透き通った言葉達の落とす青 僕の心を澄み渡らせていくのは 古い絵の片隅で舞い上がった羽根 それを少しの音楽で美しく染めるレコードは 長い間悲しみを求めていた僕の心の ほんの小…

ある音楽

本質を剥き出しにして 間に合わせの嘘を着て とりあえず手を伸ばして 誰かの手に触れるのを待っていた 醜い羽を隠すこともせず ぼろぼろの理論を着て とりあえず美しいふりをして 誰かに羽を折ってもらおうとした そのとき音が鳴り響く 鋭いギターが耳元を撫…

僕を置いていかないで。

いないいないいない。

僕はいつでも、目を閉じている。 長い長い迷路。 出口は見えなくても、僕はそこにいて、君を探す。 僕はいつでも、どこにもいない。 長い長い迷路。 その路を、少しずつ複雑にして、君を見つけにくくする。 君がいなくても、気付けないようにね。 僕はいつも…

詩になりそうなひとかけら

世間に溢れている「愛」とか「夢」とか「希望」とか そういう言葉が似合わない気がして 手の中の どうやら君のほうへむいているらしい感情に 僕は名前を付けなかった 名前をもらえなかったそれは 少しいじらしそうにその体を揺らし またあの子のほうへ 飛ん…

電車

彼女の面影を追って 僕はその電車に乗った それはひどくゆっくりと 確かめるように進んでいく 止まる駅はない 変わる線路もない やわらかい悲しみをのせて 馬鹿みたいに一本道を 走っていく 彼女の幻想を追って 僕はその電車にのった どの車両をまわってみて…

音が鳴るとき。

音が鳴る風景で僕はいつもやりたいことをやろうとする 音はよりリアルに現実を伝え 音はキレイな世界を僕に届け 僕は机に座り エアコンの音に耳を澄ませ ああ 時間がこぼれていく 時間が盗まれ ぼやけ 音に吸い込まれ ノートを開けば くしゃくしゃになった鉛…

シッソウ(後編)

どのくらい経っただろう ただの線だった世界は いつのまにか輪郭を取り戻して 僕は足に限界を感じる もうそろそろ辿り着けた 知らない何処かに辿り着けた 漠然としたそんな期待を抱えて 足を止めようとした つまづいた もつれて転んで飛んで落ちて倒れてずっ…

シッソウ(前編)

曇り空の下 濁った目に映る世界は不確かなまま その不確かさを確かめようとして ただ走った 走った走った走った走った走った走った走った走った走った走った 視界が消えるまで 思考が溶けるまで 彼女の幻影も追い越して 夢も希望も追い越して 道徳も正義も踏…

(no title)

殺風景な白い部屋。 そこにぽつんと、ツギハギだらけの心が置いてある。 それを、遠くから眺めている。 ごくたまに、僕はその部屋に降りていく。 心に触れてみる。 金属のツギハギは冷たい。 けれどその奥で、ゆっくりと、脈打つ感触がある。 確かめるように…

愛を買いに行く

誰かが言った 「愛はコンビニでも買えるけど」 僕は小銭を詰め込んだ財布と共に近くのローソンに行った でも愛は売ってなかった 今度はぴかぴかのお札をもって おしゃれにも気を使って 名古屋のパルコに行った 愛は売ってた 周りのみんなの目がキラキラして…

毎日と僕

夜0:27に宿題のレポートをやるために机に座ってて少し机の電灯は明るすぎて外は曇りで星は見えなくてヘッドフォンからは買ったばかりの気だるいアニメバンドが歌っててナントカ委員の先輩に手紙書き終わってメールのランプが光って可愛いあの子から用件メー…