曇り空の下
濁った目に映る世界は不確かなまま
その不確かさを確かめようとして
ただ走った
走った走った走った走った走った走った走った走った走った走った
視界が消えるまで
思考が溶けるまで
彼女の幻影も追い越して
夢も希望も追い越して
道徳も正義も踏みにじって
軽くなって
心を内側から引っ張りだして
それをバトンみたいに
ぞんざいに握り締めて
軽くなって
限り無い疾走感
軽弾みな失踪感
ただの線と化した視界
地面を踏みしめる感触
ただ噛み締めて
荒い息づかいだけが耳に残る
フェイドアウトの予感がする
まだ
走って走って走って走って走って走って走って走って走って・・・