FUJI ROCK FESTIVAL'05 REPORT(Sigur Ros編)

Sigur Ros

セットリスト
01 新曲
02 Ný Batterí
03 Svefn-g-englar
04 新曲
05 Viðrar Vel Til Loftárása
06 Njósnavélin(Untitled #4)
07 Hafssól
08 Olsen Olsen
09 Popplagið(Untitled #8)

さて、やってきました。フジロックののサイトにこの名前が載ってから、今年は絶対フジロックに行ってやる・・・と心に誓ってから半年。


・・・Radioheadのファンサイトの掲示板に「今までRadioheadが最高だと思ってたが違った。Sigur Rosのライブを見て考えが変わった」という、少しのめり込みすぎな書き込みが入ったのを見てから・・・ふと何の気なしに公式サイトで試聴したVaka(Untitled #1)で悲しくもないのに、音に圧倒されて自然と涙がこぼれ落ちるという体験をしたのが始まりでした。


そのSigur Rosが見れる・・・目の前で演奏するんだ。


会場に一人で着くと*1人がたくさんいました。まだライブは始まっておらず、ほっと一息。何とか行けるだけ前に行き、息を整えて待つ。ステージには薄い膜がかかっていて、いかにも彼ららしい雰囲気。
そして厳かに彼らが出てきて・・・始まったのは新曲。幕に映されるぼやけた、不思議な、生命の息吹を感じさせる映像。そして音数は少ないが、一音一音が力強い彼ららしいドラムが入ってくると、バックライトでメンバーの演奏姿が映しだされていく。このときにもう、褒めすぎとも思えた前評判は嘘じゃないことがしっかりと分かりました。


そして幕が上がる。厳かな拍手の中、静かに前に出てきたジョンジーは、神々しくギターをバイオリンの弦で弾き始める。静かにライトが彼の方にあたっていく。まるで天使のよう・・・というかもう本物の天使なんじゃないかな、と思いました。そしてNý Batteríが始まる。まわりのひともほとんどが棒立ちで、拍手や歓声すら最小限に抑えているのが、印象的でした。一音も聞き逃さない覚悟でいるんですよね。


そして、あの「ポーン」という印象的な音が聞こえてくる。この一音だけで雰囲気をかえ、そしてみんなが「あの曲だ」ってわかるのは凄いですよね。Svefn-g-englar。


そして次は新曲でしたが、これが本当に美しい曲でした。最初はピアノのあたりにメンバーみんなが集まって、鉄琴と美しいピアノが響き、途中から場所を移動し、ドラムと弦ギターが入っていき、ラストではストリングスも加わる。神聖な雰囲気かつ、物凄くポップであるこの曲は、またSigur Rosのファンを増やすんじゃないかなあ。最初の鉄琴とピアノだけの部分が瞑想的でとくに気に入りました。新作が楽しみでしょうがないです。


このあとが僕的ベストアクトなViðrar Vel Til Loftárása。最初の印象的なノイズからしっかり再現していて、美しすぎるストリングス、美しすぎるメロディ、美しすぎる、神聖なジョンシーの声。バックには、ちょっと怖い赤ちゃんのアップが映し出されていました。何より凄かったのは、途中の静寂。ジョンシーが歌うのをふとやめるんです。後ろの映像も止まり、会場内で声をあげる人もいない。完全な静寂。苦しくて、どきどきする、ライブとは思えない静寂。ふっと何かを思いだしたようにジョンシーが歌い始めるまで、物凄い一体感を感じることができました。無音すら表現方法としてしまう彼らは本当に凄いですね。


そろそろバスの時間が迫ってきました。なんで現実から離れた夢そのものな空間から去らなければならないのか・・・無念をかみ締めながら、美しく祝福にあふれたNjósnavélin(Untitled #4)を聞きながら、少しずつ後ろに下がっていく。このあとVaka(Untitled #1)をやったらどうしよう、帰れないな、まじでと思ったら、この時点ではVonを聞いてないから知らなかったHafssólだったので少し救われました。
二人で*2、印象的なベース音を聞きながら会場を後にしました。さよならホワイトステージ、ありがとうSigur Ros


もともと日常から抜け出す、夢のようなフジロックという空間のなかで、さらに美しすぎる別世界を作り出してくれたライブでした。ステージの仕掛けもあいまって、視覚的にすら、陶酔させてくれました。Dovesくるりのライブで感じた、「力強くていいんだけど、きれいな曲はもっときれいにやってくれてもいいかな・・・」といった不満もなく、ジョンシーの声はCDのように透き通っていてかつ、生でしか味わえない、生命の響きに満ちた、天使を思わせるもので、弦で弾くギターもうっとりさせるようでどこか毒を包んでいる音色で・・・


神秘的で、華麗で、繊細で、力強く、美しく、優しく、恐ろしい。これでもまだ言葉が全然足りないくらい・・・荘厳過ぎるステージ。


「いままでつらいこともあったけど、生きてきたのはすべてはこの感動のためだった・・・」なんてブログに書いていた人もいましたが、それぐらい思ってもおかしくないです。こんなライブを体験してしまって、僕は他のライブで感動できるのだろうか・・・


心残りはVaka(Untitled 1)とStarálfur(2ndで一番好きな曲です)をやってくれなかったこと。ファンサイトではベストアクトにあげている人が一番多い、Popplagið(Untitled #8)が見れなかったことです。アルバムも出ることだし、もう一回来日して欲しいなあ。そうしたら東京でも大阪でも絶対見に行きます。そしてラストはPopplagið(Untitled #8)をやって欲しいです。


最後に・・・


「Takk」

(Primal Scream)


素通り。泣きたい。バスの時間もうちょっと考えろよ。二時出発で十分だろうがボケ!
なんか明るめの新曲とAcceleratorとMiss Luciferだけかろうじて聞けた。くそう、後ろ髪引っ張られまくりだ。でもなんか評判よくないですね。なんでもボビーが泥酔orラリってたとか(笑)いやでも、それでこそ我が王子。彼こそ僕らの世代の生粋のロックンローラーだ!!!


あーあ、もうRock'in Japan Fesもサマソニも行かないし・・・僕の夏休みはもう終わったようなもんです・・・

*1:連れはレインコートを持ってなくてずぶぬれになっていたので、公式Tシャツを買いに行って、そのまま戻ってこなくてはぐれてました。携帯もなかなかつながらない・・・電池切れてたそうですけど・・・そのせいでSigur Rosのライブに集中し切れなかった部分があって、そこは凄く残念です。

*2:会場の後ろで連れは、ずっと僕を探してたみたいです・・・