きみとぼくの壊れた世界/西尾維新

きみとぼくの壊れた世界 (講談社ノベルス)
今日の収穫。面白かった。ネタばれしまくった感想を。

「肩んとこ、糸くずついてる」
「は?」
「とったげるよ」
(ついでに抱きつく)
「ごめん。わたし、きみ、すっげえ好き」
「・・・・・・なんで、今、このタイミングでいうかね」
「ごめん」
「空気読めよ」
「ごめん」
「しかも手が古い」
「ごめん。自分でもそう思う。でも」・・・

うわ・・・青春だ。すごい甘酸っぱい。と、これだけ見ていると青春恋愛小説ですが、もちろん西尾維新、そんなわけない。でもまあ、琴原さんが出てくるときは、なんかいい感じの青春小説だなあ、彼女は直接は人殺してないし、とか思う私は圧倒的に日々のときめき不足なのかも・・・
まあでもこの小説のヒロインは琴原でも妹でもなく、病院坂黒猫(打ち込んでみると改めて凄い名前だ)でしょうけどね。この人のキャラ立ちといったらもう凄い。ちょっと台詞回しは戯言的かなと思うけど。
というかこの小説はラストが、衝撃的なわけですよ。だってさ、
親友は殺人犯、ガールフレンドは殺人犯補助、妹とはラブラブ、好きな人は保健室登校
・・・タイトルのとおりですよ。というか、彼女とシスコンと好きな人が並列されている時点でさあ・・・ありえない。でも・・・なんか説得力のあるような惹かれるようなラストでもあるから不思議。まあ、僕は少し人生が歪むことにあこがれてるからな。
これ、西尾さんのキャリアの中でもなかなか上のほうにランクインする面白さだと思います。オススメ。