I LOVE U/Mr.Children

I LOVE U
冒頭の「Worlds End」がいいですね。跳ねるドラムとストリングスが中心の過剰気味なアレンジ。胸の奥から一気に込み上げてくる高揚感。アルバムのオープニングとしては完璧なナンバーだと思います。一気に引き込まれます。歌詞も「いろいろあって一度はあきらめた後」にもう一度前を見据えているという感じで、非常に力強い。「僕らはどこへでもいける」・・・この言葉に説得力を持たせるのはとっても大変だけど、それに成功してます。


そう、今回のアルバムで改めて感じたのは、ミスチルの歌詞の素晴らしさ。アルバムタイトルが「I LOVE U」だけあって、僕と彼女だけの世界についての歌詞がほとんどなんですが、それなのにどうしてこれほどまで普遍性を加えられるんでしょうか。プライベートな出来事を普遍的に鳴らすという矛盾。それをやってのける桜井さんの感性に脱帽です。(ちなみに歌詞カードは、歌詞の連なりが絵を形成しているという、非常に見にくいものとなってますが(笑))


ただ、アレンジとかは基本、いつものミスチルですね。シングル「四次元 Four Dimensions」の延長上。ちょっと過剰気味で、音をどんどん重ねて、それに負けない桜井さんの情熱的なヴォーカルがのる。個人的にはもう少しラフな感じのアレンジの曲も聞いてみたいんですけど・・・(だから「Door」は面白かったです)。あと、ちょっと地味な曲が多いかな。僕は好みですが、要所要所にガツンとくる曲があった「シフクノオト」と比べると、セールスは期待できないかも。


曲単位では「Worlds End」のほかには、歌詞が個人的に共感できる部分が多いので、どうしても惹かれてしまう「僕らの音」、やっぱり「四次元 Four Dimensions」でも抜きん出ていた「and I love you」、シングルで聞いたときはあまり好きではなかったけど、アルバムで聞くとその優しさにほっとする「Sign」あたりがいいですね。あ、そうそう。忘れてならないのが「隔たり」です。アルバム屈指の美しいメロディとアレンジに、容赦なくえぐい歌詞を添えて、それでもやっぱりとっても美しいこの曲は、隠れた名曲です。


未だに瑞々しい愛の歌を歌えるミスチルって凄い。何気にジャケットは今までで一番のお気に入りです。