Passion/宇多田ヒカル

Passion(紙ジャケット仕様)
逆回転の声。せわしなく、ごろごろとしたリズム。じくじくと鳴るベース。寂しげなエレキギター。最近の宇多田は、「Be My Last」といい、こういうモードなのだろうか。前述した要素が、この曲の主役で、歌が少しだけ後ろに下がっているように思える(それは「Passion〜after the battle〜」でより顕著だ)。もちろん、歌モノではあるのだが。


あんまり売れないかもしれないけど(この曲はオリコン初登場四位)、こういうアレンジで魅せる宇多田っていうのも悪くない気がする。もともと、過剰な憂いを含んだ宇多田の声は、きったりはったりしても映えると思う。こういうひねくれた格好よさをもった曲をこれからもたくさん書いてくれるなら、僕は喜んで彼女についていきたい。