戯言シリーズランキング

今年見事完結した、戯言シリーズ。僕にとって、衝撃だった西尾維新との出会い・・・その愛を込めて勝手ながら、順位づけしてみました。

NO.1 クビシメロマンチスト
NO.2 クビキリサイクル
NO.3 サイコロジカル(上・下)
NO.4 ヒトクイマジカル
NO.5 ネコソギラジカル(上・中・下)
NO.6 クビツリハイスクール

はい、まあなんていうか、僕は成長する前の、ぐだくだでネガティブでニヒル気取ってて、その実ちょっとだけ優しかったりするいーちゃんが好きみたいですね。


やっぱり初めて出会った、クビシメロマンチストが僕にとっては衝撃的でした。ストーリーに関係ない記述、わき道だらけで(そもそもこの本のメインストーリーと「零崎一識」に関わるエピソードは全然絡んでなかったりする)でもそのわき道の部分が、凄く面白かったりするという・・・そしてミステリーなのに主人公が嘘を読者に吐き、どんでん返しが二回あり、後味は最悪というね。もうしっかりやられてしまいました。そもそもサブタイトルは「人間失格 零崎一識」だし、ライトノベル色たっぷりのきらきらした表紙だし。本の中身外見すべてが人をくってますよね。そういうとこ、最高です。あと、葵井巫女子のキャラと、発言も最高です。


クビキリサイクルはその後に読んだんですが、だいたい同じ路線で、衝撃でいえばクビシメロマンチストのが上かな。単純に順番の問題かもしれません。


サイコロジカルは殺人が起こるのが、なんと上巻の終わりという、もうミステリでもなんでもないんじゃないかって感じになりつつ、その上巻もすさまじく楽しいという、やっぱ西尾さん、凄いわって感じです。ここらへんから、いーちゃんが情熱的な側面を露呈していきます。僕は「人間は美少女と私とそれ以外に分類できる」という鈴無音々の発言がぶっとんでて好きです。


ヒトクイマジカルは姫ちゃんが死んだときの描写が圧巻でした。小説なのに見た目までグロいページ。悲しくて悲しくて悲しめなくて、ボロボロになるいーちゃんの思考回路。そして、はじめてみせる成長の兆し。ここらへんからミステリ要素は単なるおまけになっていきます。


ネコソギラジカルはなんか完全にキャラ小説になってしまったり、中巻で空回りに空回りを重ねたりで、個人的にはちょっと残念でしたが、しっかり予定通りに完結させ、そして読ませたのはやっぱり凄いなと思います。


クビツリハイスクールはちょっとおまけ的要素が強いのでこの順位です。まあでも、これがなかったら姫ちゃんも、ネコソギでのメインステージもないわけで、今思うと、結構重要な一冊ですけどね。


ひとりひとり立ちすぎているキャラと、彼らの頭の中にある歪んだ哲学具合と、文章の量に反比例する読みやすさと、ことごとく予想を裏切っていくストーリー・・・戯言シリーズがもう読めないのはとっても寂しいです。これからも、西尾さんには魅力的な著作をどんどん書いてもらいたいな。


最後に、気に入っている言葉を2つ引用しておきます。では、いーちゃん、ありがとう。

すきすきだいすきあいしてる。

クビシメロマンチストより。こうやって並べることで、とっても薄っぺらい言葉になるところがなんともいえず好き。

人は見かけに拠らない。
人は見かけで選るだけだ。

サイコロジカルより。ぞくっとする本質をついた言葉だと思います。