Keep Tryin’/宇多田ヒカル

Keep Tryin’
結局、オリコン一位に返り咲き。でも、前二作から変わってストレートなポップスになってしまったこともなく、惚れ惚れする見事なバランス感覚。ああ、僕ってこんなに彼女の曲が好きだったんですね。


今回、宇多田さんが魅せてくれたのはコード進行。あのCMで良く流れてるサビ聞けばわかりますよね?「あれ、そこに行っちゃう?」みたいな悪戯を感じさせるユーモアあふれるコード進行。うまいです。嫌でも耳に残るし、その上、聞いていると気持ちよくなってくる中毒性つき。そのちょっとしたねじれみたいなものが、全編通して感じられ、独特の浮遊感を生み、なおかつ間奏部分はオルゴールみたいになるっていう仕掛けまで付いてて・・・もう完全に、彼女の仕掛けた罠にはまってしまった私です。


あ、そう思えば、前二作と決定的に変わったところもあるか。それは、「余裕」が感じられること。そう、この余裕が最近の宇多田さんにはなかったんですが(それはそれで素晴らしい曲を生み出していたと思います)、戻ってきましたね。ついでに売り上げも?まだ分かりませんけど。


とりあえず、宇多田さんはなんか新しいとこに向かってて(「EXODUS」ってもしかしてその序章だったんじゃないだろうか)、苦しみぬいた二曲を経て、ついにたどり着いちゃった、みたいな気がします。妄想かもですけど。


とりあえず、これを聞いてしまったら、もうアルバムに期待するしかないでしょう。今年中には出ます、よね?待ち遠しくてたまらないです。