ELLEGARDEN ELEVEN FIRE CRACKERS TOUR 05-06(at 名古屋Club Diamond Hall)

そもそも、僕はモッシュとダイブが起こっている場所に突っ込むことはほとんどない。
それは、音楽的趣向のせいでもあるだろうし(Sigur RosMewのライブにモッシュはない)、
人の波に飲まれると、肝心の音が聞き取りづらくなるんじゃないかという、不安のせいでもあった。


でも、今回僕はモッシュの波に飛び込んだ。
最前列ではなかったけど、みんなが楽しそうに暴れまわっている場所だった。
周りはみんな筋金入りのファンみたいで、どの曲でも馬鹿みたいに歌うから、
やっぱり細美さんの歌声は聞き取りづらかった。


ところが、それでもいいと思えた。
むしろ、僕も負けずと歌った。どの曲でも、声を枯らすまで。
僕の肩を借りて、女の子がダイブをした(本当はやっちゃダメだけど)。
みんなとの感覚の共有、場所の共有。頭は本当に空っぽになった。
ライブには、こういう楽しさもあるんだと思った。



そんなエルレの対バンツアーに参加してきました!
名古屋だけは、Allisterだけでなく、マキシマムザホルモンまで引き連れた豪華布陣。
ELLEGARDENは、友人によるセットリスト付き。ではどうぞ。



>>Allister
はじめはAllisterという、エルレがUSツアーの時にお世話になった(友人談)バンド。音は直球パンクロックをほんのちょっとひねくれさせたという感じ。エルレと音が似ている部分もあって(といっても、メロディの感じとかは全然違うけれど)、この段階でモッシュやダイブが当たり前に…激しいな、みんな。


日本びいきらしく、スピッツの名曲を「チェリー」をパンクにカヴァーしてくれた。これは嬉しいサプライズ。てっきりカヴァーするならエルレかなと思ってたんだけどね。一番盛り上がった瞬間だった。ちなみに、日本語の歌詞なのにほぼ完璧でした。


一番印象に残ったのは「ELLEGARDENとライブできるなんて、夢みたい」というヴォーカルの一言。やっぱりあのメロディは世界基準なんだっていうことを実感して、なんだかうれしくなった。



>>マキシマムザホルモン
評判は聞いていたけど、ちゃんとCDを聞いたことのなかったマキシマムザホルモン。結論からいうと、ずっごく楽しかった!ダンスあり、ヘビメタありのハードな演奏と思いきや、いきなりメロコアやアイドルポップみたいなメロディが飛び出したりと、かなりはちゃめちゃでネタ性の強い曲達。ところが、かなりドラム(しかも女の人だった!!)とベースはしっかりしていて、ベースソロなんかむちゃくちゃ格好いいの。跳ねたり、踊ったり、手を振ったり…本当に夢中になれた楽しい一時間でした。これは名古屋お得だな。


MCもドラムのナヲちゃんのキャラが濃くて、とても楽しい。いやあ、このバンドの根底にある、「意味なんかなくたっていいんだぜ」というぶっきらぼうな姿勢が、なんだか好きだ。ちなみに、僕と一緒に行った友人が、なんとナヲちゃんのドラムスティックをゲットしてて、驚愕!いろんな人の目から、羨ましそうに見られてました。アグレッシブなんだよな、彼。ライブ会場でどんどん友達増やしてるし。まったくもって、見習いたい。



>>ELLEGARDEN
そして遂に、ELLEGARDENの登場!今までだって、激しいダイブ&モッシュ状態だったのに、それすら甘かったことが分かる。みんな何処に体力があったのか、一段下に下がっている部分のほぼ全部で、人がひしめきぶつかり合う。


僕もさすがにエルレを大人しく見るつもりもなく、細美さんを見たいというミーハー根性も手伝って、前列に。だがしかし、この場所、ぶつかられるのも、肩を借りてダイブさせるのもいいけれど、なによりテンションが上がりまくったみんなの歌声が激しくてイマイチ音が聞きづらい!これならサマソニみたいに広くて遠いところのが聞きやすいよ…とか思いながら、念願の「Space Sonic」(サマソニで聞き逃した)もそんな気分のまま聞いてた。うーん…


けれど何というか、「Stereoman」まで一気にやって、細美さんのMCを聞いているうちに、そんなことがどうでも良くなってきた。いい曲が、いいメロディがどんどん耳に流し込まれ、みんなが頭を空っぽにして楽しんでいる雰囲気に飲み込まれ、いつしか僕も空っぽになった。確かに「Alternative Plans」あたりで、少し後ろに下がったんで、音が聞きやすくなったのもあると思うんだけど、途中から余計な感情がなくなったのは確か。ただ純粋に音を聞きたい、楽しみたいだけになった。ライブでは暴れることよりも、曲を聞くことがメインと言い続けていた僕でさえ、こういうのも悪くないと思えたんだ。


もう空っぽになっちゃえば、こっちのもの。そもそも曲展開とかを大して凝っているわけじゃないエルレが、どうしてこんなに良いかといえば、圧倒的なメロディの力だ。エルレのライブで、「ああ、この曲は大して好きじゃない」という瞬間はない。どの曲がかかってもテンションは上がっていく。もちろん、中でも「Salamander」のイントロのあのぞくぞくする格好よさが印象に残ってはいるんだけどね。それにこの曲は、エルレには珍しくメロディに「ため」の部分があって、より爆発力が高い!ライブでは一番好きな曲かも。


細美さんのMCは、なんというか結構インタビューでむちゃくちゃ格好いい事言ってる彼とは違って、そこら辺のROCK好きな兄ちゃんって感じで、言葉も「本当に思ってるんだぜ」を繰り返したりと、意外と拙い。きっと彼自身も僕達と一緒に、空っぽになってるんだろう。「アルバム作ってたら10円はげができてさ」とか、さすがに自分を追い込みすぎる性格は出てたけど。


そういえば、今度幕張でライブをやるとか何とか。「チケット取りたいやつみんな取らせてやるライブをしたい」って言ってた。今まさに、ライブハウス的な楽しみ方に目覚めていた僕だけど、それはそれで、しっかり彼らの音が聞けるし、行ってみたいな。


そんなこんなで、あっという間に時間は過ぎていき、「Red Hot」で一旦終わり。アンコールでは「Make A Wish」で締め。大好きな曲だ。サマソニと違って、みんな歌うから物凄い一体感で、いろんなものが込み上げて胸を駆け抜けていった。この気持ちのいい空っぽさが、また日常に戻っていくのが寂しくなった。


でも今回のツアーはこれだけでは終わらなかった。帰る方向に歩いていくと、なんともう一度エルレのメンバーが出てきて、「月」を披露。まだUKの匂いが強い1stの曲だ。切なくて美しいメロディ、そして間奏では、みんなを座らせて、また立たせるという演出。「久しぶり」だという。まるでみんなで祈ってるみたいだった。


そんな素敵なおまけもあって、大充実。やっぱりメロディがいい曲っていうのは、強い。そして会場にいるみんなが、空っぽになるという一体感。こんなライブもいいな。



「セックス?確かに気持ちいいけど、あれは頭でいつイクかとか考えんじゃん?
ROCKのがもっと気持ちいいよな。頭空っぽになるもん」by 細美

セットリスト
01 Supernova
02 The Autumn Song
03 Space Sonic
04 Alternative Plans
05 Surfriders Association
06 Stereoman
07 スターフィッシュ
08 BBQ Riot Song
09 Missing
10 虹
11 Pizza Man
12 Marry Me
13 Salamander
14 Fire Cracker
15 ジターバグ
16 No.13
17 Red Hot


encore1
01 風の日
02 Make A Wish


encore2
01 月