Into the Blue Again/The Album Leaf

Into the Blue Again (Dig)
もう一度青の中へ。
とても格好いいタイトルとともにリリースされた、The Album Leafの新作です。


前作の流れを汲んだ「The Light」からはじまったかと思うと、チープなリズムが聞こえてきて、ゆるいキーボードが鳴り始め、渋めのヴォーカルが乗る。そんな「Always For You」で感じたのは「これって…フォークソング?」。そんな二曲目に象徴されるように、今回のアルバムは、センチメンタルさの強い前作よりも、少しだけゆるくて、優しくて、ポップな仕上がりになってます。


僕は彼に、フォークソングを求めている訳じゃないので、ちょっとだけ面食らいましたが、それはごく最初だけでした。このアルバムも、やっぱりジミー・ラベルです。柔らかい電子音とともに、ヴァイオリンなどの生音をたくさん使って、暖かくて優しくて、繊細でやわらかい音世界が構成されています。


相変わらず時代とか世間とか、そういうものと無関係に鳴っている音楽。だからこそ、毎日に疲れたときや、ギターやベースがギャンギャン鳴っている曲に疲れたときに、心にすっと染み込んでいく。


前作の「Over the Pond」(Sigur Rosのジョンジーがゲスト参加)のような、聴いていると別世界に行ってしまうような、これという一曲がないのはちょっと残念ですけどね。でも、前述の(今では大好きな曲になった)「Always For You」でのピアノの和音の瑞々しさや、「Red Eye」の美しさがあるから、今作も凄く好きです。


変わらないで、いつもそこに居続けてくれる音楽。
美しいだけでなく、優しい音楽。
ちょっとだけ疲れた顔をしている人に、聞いて欲しいアルバムです。