塾講師の憂鬱

11月の夜道を、ポテトチップスのじゃがバター味を食べながら突っ走る。
どうしてそんなことをしているのかって?イライラが止まらなかったからだよ。
どうも、so-naです。


今まで、ぶっきらぼうだったが淡々と問題は解いていたある生徒が、最近何かおかしい。
もともと生意気な中学生達の中で、さらに浮くぐらい調子に乗っている。


何か問題を解けと要求すれば、「つまらない」「面倒くさい」「ゲームやってたほうが価値がある」
(はいはいはいはい聞き飽きた)


アドバイスをすれば、「じゃあそれを始めから教えてくれれば良かったじゃん」
(最初に教えたら、答えを見ながらやるのとなんら変わりない)


挙句の果てには、「これ一発で解けたらお金ちょうだいよ」とすぐお金を要求。
(面倒くさいので「いいよ」といったら、帰りのときにちゃっかり手を出してきやがった)


イライラのピークは、塾の他の先生に相談された数学の質問の答えに迷っていた時に、
「どうせわかんないのに、格好悪いからって、適当なこと言ってるんだろ」
(これを連発するせいで、その問題に集中するのがきつかった)


講師の君らのために問題を解いてやっているんだよ、とでも言いたげな傲慢な態度。
自分では世の中を逆行してロック気取ってるつもりかもしれないが、
言ってることに欠片のユーモアも可愛げもないからか、中学生だからと許容する気すら起きない。


彼を変えてしまったものはなんだ?
その答えは、彼の発言の中にあるように思われる。



「今度テストで90番以内取ったら、PS3Wii買ってもらうんだ。
80番以内取ったら、USJに2泊3日泊まらせてもらうんだ。
70番以内取ったら、ディズニーシーのスイートだぜ!!」


「勉強はできないフリをしとけばいいんだよ。
小学校のテストとか、実際余裕で100点取れるでしょ?
それをあえてやらないんだって。そんでもって、頭悪いと思わせとく。
ご褒美がいっぱいもらえるんだ」



これはもう、ご両親、やっちゃいましたね。
息子が勉強に意欲がないのを見て、強硬手段に出ちゃいましたね。裏目ですね。


本当に意地汚い。若干中学生下位学年が、ご褒美のために頭悪くみせるなんて。
多分彼は、ご褒美がなくなった(もしくはご褒美に魅力がなくなった)時点で、勉強やめるでしょう。


きっかけとしては良いかも知れないけれど、ご褒美で釣る危険さを知った今日。
ポテチをぱりぱりとかじりながら、自分の息子を過剰なご褒美で釣るのをやめよう…
そして、ご褒美欲しさに頭悪く見せるような歪みを生まないようにしなくちゃな…と強く思いました。


中学生でもいろいろ考えてるんですね。
おそろしさを垣間見ながら、来週もその生徒の指導が入ってるのを見て、
がくんと来てしまったのでした。