戦場からの帰還(後編)

また明日といいながら、一日空けてこんにちは。
僕の大学は学祭の真っ最中。でも僕は軽いテストに向けて勉強中。
でもなんか手につかないまま、こんなところでカタカタ更新。
というわけで、話を戻しましょう。



女物の店での緊張もそこそこに、遂に回ってきた僕のターン。
遊戯ならばここで、「ドロー!」と叫びながら、勢いよくデッキからカードを引いて、
それがなんと運命のカードだったりするんですが、僕にそんな意気込みはなく。
いつも丸い背中を、気持ちさらに曲がらせながら、西館6階に到着。


店員さんと、そこそこ仲良くなってしまった店の服をぱらぱら見る。
何故仲良くなってしまったかといえば、それは友達の行きつけの店だったからで、
決して僕自身のアグレッシブさに寄るものではないのだが、
それでもそこそこ話すようになってしまった事実は変わらないわけで、
やっぱり話しかけられてしまう。


「今日はどういったものをお探しで?」


これ、殺し文句。明確な「欲しいもの」が見えているわけじゃない僕にとっては。
もちろん頑張って「黒のパンツとかベルトですかね…」とか取り繕うものの、
実際そこまで買う気は無く。ストレートとブーツカットを着せてもらった後に、
「今すぐ欲しいというわけじゃないので、もう少し考えます」
と言って何とか逃げてくる。そして、隣のデュエルマスターから、手痛い一言。


「ただの学生服みたいだったよね」
「店員さんに無愛想すぎない?もう少し愛想良くしないとさ」


そういえば、そこの店員に「どうしてそんなに疲れた顔してるんですか?」と、
言われたこともあったっけ。気をつけなくちゃなあ。
はあ…タワレコに行きたい。あそこなら、CDの紹介文見て、
「あの、これって2ndアルバムって書いてあるけど、実質3rdですよね?」
とか細かい間違いを指摘して、店員さんを困らせたりできるのにな。
(実際に言って困らせたことあります…ごめんなさい)



そしていつしか僕らは南館にいた。もちろん目的は、バナレコで中古CDを漁る事。
ではなく、いやもちろんそれもするのだけど、あくまでそれはニの次で、
もう一つ気になる服屋を見に行くことである。


そこに行く前の店で、やたら格好いい靴を見つけたけど、
値札を見間違えて、6800円かと思ったら15000円で、泣く泣くあきらめました。


そしてたどり着いたその店。最初にベルトを見ていたら、店員さんに話しかけられる。
今度は愛想良くしようという決意を胸に秘め、そこそこ絡んでいたら、
なんだか隣のデュエルマスター(しつこい?)が、その店員の着ている服を気に入ったらしく、
似た感じの服を僕も着せてもらうことに。それだけならいいんだけど、なんと軽い文句つき。


「ジャケットは見た目が硬くなりすぎますからね。もう少しはじけては?
今年はジャケットあんま見ないですよ


いやいやいや、ジャケット見ない年とかないからね。電車の中で四人ぐらいは見たから。
なんか俺だけ流行に取り残されてる感じなんですか?


チェックのシャツに、あの、まあ、なんつーか、ミニタリーっぽい感じの上着?
合計で、約三万円。僕の財布の中身は一万五千円。借りるという選択肢はなくもない。
店員さんと、なんだかノリに便乗した感じの彼女が、格好いいの連発。
いや、実際嘘ではなく格好よかったと思うけど(服はね)、
いきなり今年の冬を乗り切れそうな感じの高い買い物を決断する勇気は無く。


「じゃあこの周りちょっと一周してみてから決めてください。絶対値段的にもお得ですから」


その言葉に店内を離れた僕は、一週して店に戻ることなくあきらめて、エスカレーターへ。
じいちゃん(武藤双六ね)、僕は運命のカードを引けなかったよ。



そういうわけで、結局何も買わないまま、
僕は戦場(PARCOと読んでください)を後にしたのでした。


運命の服は見つからなかったけど、楽しくデュエルできたからいっか。
晩御飯は「赤から」でキムチ鍋。家ではキムチ系を食べた後、お決まりの腹痛。
僕の何気ない一日はこうして終わりを告げたとさ。


(でももう一人じゃ、南館のあの店に再挑戦できないや)