Album of 2006

さて、去年は洋楽邦楽にわけてランキングしたのですが、今年はまとめて発表したいと思います…2006年度のAlbumBEST10!なお、お金などの都合により、興味はあるけどレンタル待ちにした洋楽のアルバムが、かなり多いことをはじめに断っておきます(Riot City Blues/Primal Scream などを筆頭に)。


では、まず次点のアルバムから。

The Eraser/Thom Yorke
Sensuous/Cornelius(→My Review)
Into the Blue Again (Dig)/The Album Leaf(→My Review
MY FOOT/The Pillows
EMISSIONS/ROSSO


この中では、The PillowsとROSSOが個人的発見でした。Thom YorkeやCorneliusは期待しすぎたかな。Album Leafは、10位以内のアルバムとほぼ大差ないぐらい好きですが、それでも前作のほうが好きだったということもあって、泣く泣くこの順位といった感じです。では、遂にBEST 10にいきます!(分かってるんですよ?書いている僕が一番盛り上がっているなっていうことくらい)10位から、精一杯もったいぶって更新していこうかな。では、どうぞ。




NO.10 Stadium Arcadium
ステイディアム・アーケイディアム
レッチリ渾身の二枚組み。相変わらず全員の演奏レベルが凄まじいけれど、中でもやはりジョンのギターに酔いしれられる内容でした。この楽曲のレベルで、この曲数。確かに一発でガツンと来る曲は無いけれど、レッチリ顕在をしっかりアピールしたアルバムだと思います。映画版デスノートに深みを与えるのにも一役買ったと思います(→My Review)。


⇒BEST SONG 「Hey」
映画主題歌二曲はありきたりなので、Disc1の最後を締めくくるこの曲をあえてチョイス。
ジョンのクリーンなギターの音色に思いっきり酔いしれられる曲です。



NO.9 Mr.Beast/Mogwai
Mr. Beast
轟音で始まり、轟音で終わる「Glasgow Mega Snake」が示すように、全体的に曲を短くまとめてきたMogwaiの新作。長い曲がなくなった分、じわじわ心を狂わせていくような、狂気じみた高揚感はないものの、粒ぞろいな楽曲が揃っていて、聞いていてとても気持ちがいいです。轟音に予期のような破壊力が戻ってきたのは、素直に嬉しい。彼らはライブも凄かったです。凄すぎて怖かったですが…(→My Review


⇒BEST SONG 「Travel Is Dangerous」
かなり迷いましたが、轟音と歌、その二つで高揚させるこの曲を。何気に新境地だと思います。



NO.8 Dear Deadman/ストレイテナー
Dear Deadman
彼等に関しては、日向さんのベースプレイももちろんですが、とにかくメロディがツボなんですよね。コード進行は友達曰く「パワーコードばっかり」だそうですが、それに載せるメロディの、その落とし方がかなり好き。多めに入っている電子音も、かなりしっくり曲になじんでいると思います。アルバム全体でもっと好きな曲が増えたら、もっともっと高順位かも(→My Review)。


⇒BEST SONG 「The Novemberist」「Dead Head Beat」
一つに選べませんでした。前者は歌、後者はグルーヴがかなり格好いい曲。
そのどちらももっているところも、彼らの魅力の一つですよね。



NO.7 Empire/KASABIAN
Empire
友達が貸してくれると聞いて、1stとともに今年聞いたんですが、かなり好きなバンドになりました。テクノを筆頭にいろいろなジャンルを取り入れていながら、いい意味でおしゃれになり過ぎない音がとても格好良いと思います。2ndは曲数が絞られたのと、ストリングスを大胆に取り入れたことで、より格好よさに磨きがかかったんじゃないかな(→My Review)。


⇒BEST SONG 「Sun Rise Light Flies」
ほんとのところ、「Club Foot」と言いたいのはやまやまですが、2ndに限ればこれです。
mixiのレビューを見たら、誰もこの曲を取り上げてなかったというのがちょっと悲しかったり。
この声の重ね方、かなりクールだと思うんだけどなあ。



NO.6 Whatever People Say I Am, That's What I'm Not/Arctic Monkeys
Whatever People Say I Am, That's What I'm Not
今年話題の新人。いきなり満員だったサマソニのライブは驚きましたが、それ以上にすでに完成されたパフォーマンスに驚きました。とにかく、印象に残るワンフレーズを作るのがとてもうまい。(シングル「When The Sun Goes Down」なんかはもうその典型。ワンフレーズだけで曲を引っ張ってってる)その上急に演奏が止まるなど、展開のメリハリも効いていて、しゃがれ声もメロディもクール。売れないほうがおかしいね。だだ、無理やり文句をつけるとするなら、新人なのにうますぎるかなあ、ってところかな。


⇒BEST SONG 「The View From The Afternoon」
冒頭の曲。とにかく、いったん曲が止まって、また動き出す時のギターの掛け合いに、
テンションがあがるあがる。なんだこの格好よさ。
あ、そうそう。もう一つだけ文句があります。タイトルが無駄に長い曲が多い(笑)



NO.5 Black Holes and Revelations/muse
Black Holes & Revelations
曲を単純に聞いた回数多さと、主観としての良かったアルバムっていうのには、ずれが生じるっていうのは、ちょっと不思議ですよね。でも、こういったアルバムを聞くと、少し納得できる気がします。


超高密度、完全に我が道、故に聞くと少しの疲労感がある。だから、再生回数こそ少なくなるけれど、一度聞けば凄まじく格好よく、お腹いっぱいの満足感が得られる。そんなアルバムだと思います。いろんなジャンルが顔を出すのに、聞き終えてみれば紛れもなくROCKであり、museである。彼らのアイデンティティはどんなジャンルを吸い込んでも消えないんだというところに、凄みを感じました(→My Review)。



⇒BEST SONG 「Knights Of Cydonia」
レビューのとは違いますが、今はこの曲が一番好きかな。冒頭から馬のひずめの音。
西部劇かよという突っ込みも、この格好よさの前にはかき消えるしかないのだ。


⇒ONE MORE 「Map Of The Problematique」
UK ROCKの匂いが強い、従来のmuseに近い曲。こういうのも好き。
ロマンティックなイントロのピアノが素敵です。



NO.4 ELEVEN FIRE CRACKERS/ELLEGARDEN
ELEVEN FIRE CRACKERS
英語詞がこんなに格好良い邦楽ってのは、誰がなんと言おうとないでしょう。シングルの「Space Sonic」、「Salamander」も含めれば相当聞き込んだ、僕の今年を彩ったアーティストです。彼らは、いろいろ口うるさい俺をメロディだけで完全降伏させたバンドなんですが、このアルバムではそれに加え、いろんな意味での強度を掴んでいると思います。イントロからしっかり通して聞いて欲しいアルバム(→My Review)。


⇒BEST SONG 「Marie」
悲しいかな、「Space Sonic」はアルバム全体では少し浮いているので、最後を飾るこの曲を。
始まりから心震えるメロディに一気にぐっと掴まれる曲。
彼女の手に入れたものは、みんな嘘だったから。


⇒ONE MORE 「Acropolis」
少し単調なメロディの繰り返しの中で、ふと聞こえる力強いフレーズのその説得力。



NO.3 RADWIMPS4〜おかずのごはん〜/RADWIMPS
RADWIMPS4~おかずのごはん~
僕の今年を彩ったと言うのなら、彼らも忘れてはいけない。今年、新しいアーティストを見つけて衝撃を受けると言うことはあまりなかったですが、シングル「有心論」にて


誰も端っこで泣かないようにと 君は地球を丸くしたんだろう


という歌詞に出会った時は、確かな衝撃が心を揺さぶりました。なんでも詰め込むその音楽性は、共感できるところもできないところもあったけけど、最新作のこのアルバムでは、その共感できないところがかなり減って、ほとんどの曲が好きになりました。これからどんどん、彼らの歌詞に、メロディに、曲に忍ばせるいろんなジャンルの遊び心に、惹かれていく人が増えるんじゃないかなあ(My Review…Coming Soon!!)。


⇒BEST SONG 「有心論
本当のことを言うと、この曲のラップっぽくなる部分はそんなに好きじゃなかったりするんですが、
それでも、あの歌詞があのメロディで聞こえてくるあのサビを聞く為に、何度聞いたことか。


⇒ONE MORE 「ギミギミック」
レッチリばりのスラップベースが響き渡る格好良い曲。
自分が生まれてきた時の涙は、嬉しかったのか、悲しかったのかは、まだ分からないけれど。



NO.2 Collected/Massive Attack
コレクテッド-リミテッド・エディション(DVD付)
ここまで来て2位がベストかよ…という声が聞こえてきそうな気もしなくもないですが、違うんです。この中に収められている、「Live With Me」と「False Flags」含む、新曲と未発表曲があまりに良かったので、この順位。とかく、サマソニではじめて聞いた「False Flags」には、あまりの格好よさに衝撃を受けました。「Live With Me」の、流麗なストリングスのロマンチズムと、渋いヴォーカルにもかなりやられましたし、それに加え未発表曲達もかなり充実。


「Disc 1」のベスト盤の部分は正直要りません。「Disc 2」の曲と「Live With Me」だけで2位です。今の僕にとって、一番惹かれる格好良さは、彼らのような、ミニマルな変化の中に、ロマンチズムを溶かし込むようなトラックなのです。


⇒BEST SONG 「False Flags」
遠くで延々と鳴り続けている、狂気と威圧感を持ちながらそれでいて美しい、ミニマルなピアノ。
地を這うような抑揚のなさの中に、静かな怒り溶かし込んでいるようなヴォーカル。
ライターの音がしたら、五分間の暗黒夢に誘われる。


⇒ONE MORE 「Slient Spring」
美しいピアノフレーズに重なる、静かな女性ヴォーカル。
淡々とした中に静かに感じる高揚感とセンチメンタリズム。



NO.1 First Impressions of Earth/The Strokes
ファースト・インプレッションズ・オブ・アース
今年の1月1日に発売だったこのCDが僕のNO.1でした。このアルバムを聞いたとき、もしかしてこれを越えるアルバムは今年でないかもって思った、その予感が当たったなあという感じ。1st、2ndから音ががらりと変わり、賛否両論でしたが、僕の中でこの音は、完全に「賛」でした。ジュリアンの不思議に聞きやすいがなり声は、こういった骨太なアレンジでも映えます。


前に書いたレビューでは、新しいROCKだの、ちょっと煽って書きすぎたなあなんて、今になって思いますが…単純にこのアルバムは格好いい。特に縦横無尽に暴れまわるギター、衝動で鳴らしているようで、その実凄く考え抜いてあるかようにも思えるクールさ。そうそう、彼らにはどれだけ熱くなっても、同時に遠くからも見ているような冷めたところがある。それがかなり現代的な感じがして、僕は好きなのです。とても好きなのです(→ちょっとやりすぎのMy Review)。


⇒BEST SONG 「Juicebox」
ダークな演奏に乗る、ジュリアンの色っぽいがなり声。彼の声が好きな人にはたまらない。
ころころ表情とかメロディとか歌い方とかが変わって、その全てでテンションがあがるのだ。


⇒ONE MORE 「Heart in a Cage」
キーボードみたいなくねくね動くギターリフが、楽しい。それだけで聞けるぐらい楽しい。


⇒AND MORE 「Ize of the World」
アルペジオ。しつこくしつこくアルペジオ。その中で淡々と同じメロディを歌うジュリアン。
これはミニマルミュージック?よく分かんないけどなんだか高揚、高揚してたらブチリと終わる。




というわけで、Album Of 2006でした。去年ほど気に入るアルバムがなかったと言うのが本音かもしれません。そんな中、UK ROCK勢というか、わりとスタンダードなROCKを奏でてる人達になかなか豊作が多かったように思います。The StrokesArctic MonkeysKASABIAN、聞けていないので何も言えないけれど、友達はMando Diaoの新作もいいと言ってましたし。


では何が不作だったかといえば、ダンスとかエレクトロニカでは、あまりピンと来るものが見つかりませんでした。去年はRoyksoppとの出会いがあったのですが、今年は…Underworldが映画のサントラを作ったぐらいか?それもあまり特筆すべきものでもなかったなあ。こっち方面のアンテナももっと充実させていきたいな。


そうそう、邦楽のROCKも「有心論」との出会い含め、充実していたように思います。と言っても、ストレイテナーRADWIMPSELLEGARDENのことですが…しかし彼らって、ファン層を見て判断して、音楽に詳しい人なんかが逆に敬遠してしまいそうな気がするんですが、それはすごくもったいないと思います。そういう自分も、去年までELLEGARDENに偏見を持っていた一人なんですが。だからこそ。


興味の方向性としては、最近ミニマルな展開をする曲に惹かれています。Hip Hopのトラック部分にはすごく興味があったり。今年になってさらに、Massive Attackにずぶずぶはまっていったのも、そのあたりかも。


ではこんな感じで、自己満足ランキングは終わりです。来年もいい音楽に出会えますように。