目が覚めると僕は震えていた
目が覚めると僕は震えていた


僕が手に入れたもの全ては
蝋燭の火のように不安定に揺れていた
永遠に続くものなんて一つもなかった


夢の中で僕はバンドを組んでいた
メンバーの中に一人の女がいた


彼女はこう言って僕を急かした
「この曲を鳴らさなければ、
あなたは何処にも行けないから。」


僕は握り締めている
今を握り締めている
あなたもきっとそうだろう
でもそれでは足りないんだ


僕が今を大事にしても
あなたが今を大事にしても
今はその手を零れ落ちる
留めることなどできやしない


僕が今を掴んでも
あなたが今を掴んでも
世界が止めてしまったら?
今が鳴らなくなったとしたら?


だから僕は鳴らさねばならない
今を掻き鳴らさなければならない
この胸のギターを精一杯
壊れるまで鳴らさなければならない


だからあなたは鳴らさねばならない
今を掻き鳴らさなければならない
その胸のギターを精一杯
壊れるまで鳴らさなければならない


精一杯鳴らすんだ
世界が奏でる今をかき消す
悲しみのノイズで汚れた
その胸の不協和音を


今が零れ落ちる前に
世界が鳴らなくなる前に