bloc party Japan Tour 2007(at Club Diamond Hall)

会場に友人とともに着くと、大人びた雰囲気の人や外人が目に付く。最近エルレとかストレイテナーとかのライブばかりだったから(なんとなくアウェーなんだよね)、こういう雑多な感じは少し落ち着く。今日はTシャツもまばらだ。何故かアイシールド21のTシャツを着ている人がいたりした。
(以下セットリストなし)


前座に出てきたのは、全員メガネかつ白ポロシャツのmonobrightというバンド。個人的にはスパルタローカルズ+初期くるりみたいなイメージ。ちょっとギターの音が大きすぎて鼓膜に響いたけれど、なかなか面白いバンドだった。「次はしっとりした曲やります…聞いてください、死んだ魚」には笑った。どんなタイトルだよ。まあしかし、bloc patyとはまったく共通点を感じないバンドだった。一体どういう経緯で前座になったのだろう。


それからまたセットチェンジ。アンプの上にはピカチュウとファービィ(?)が佇んでいたが、ファンなのだろうか。この時間のSEでは、bloc party自身の曲が流れて、ちょっとがっかりしたりも。いや、これからその曲を生で聞くんですけど!


そして出てくるbloc partyの面々。始まったのは「Song For Clay(Disappier Here)」。2ndアルバムの冒頭を飾る曲だが、ライブでもやはりイントロだった。ガツガツと刻まれるドラムがとてもクールで否応なしにあがる。そして「Positive Tension」へ。1stの曲になると、その音の隙間の多さが目立つ。断片的なベース、ギター、歌の隙間を切り裂くような性急なドラム。これはライブで聞いても素晴らしい。


その後も、「Hunting For Witches」、「Waiting For The 7.18」、「Banquet」と怒涛の名曲オンパレード。「Hunting For Witches」のギターリフはちょっとした発明だろう。心の奥を掻き毟られるような高揚感がある。観客も落ち着いているかと思いきや、最前列ではモッシュ&ライブのもみくちゃな状態。隣で見ていた友人は「Waiting For The 7.18」で前に飛び出していった。ただ、この曲に関しては、サビの轟音ギターがちょっと物足りなかったかも。


1st、2ndで色が変わったから、今回のライブでは2ndメインかと思ったが、そんなことはなく、双方がうまく織り交ざったライブだった。楽しみにしていた「The Prayer」もしっかりやってくれた(友人曰く、リズムが相当難しいからやらないと思っていたそうだ)。アンコール前は、「I Still Remember」で感動的に締めた。


そしてドラムがもう一つ会場に出てくると、始まったのは「Sunday」。ごろごろしたドラムからじっくりと盛り上がっていく曲。あまりドラムが2つある必然性は感じなかったが(笑)、この曲が聴けるのは嬉しい。ベースのゴードンがドラムを叩いているので、じゃあベースはどうなるのかと思ったら、どうやらアンプを調整して、ベースの音をヴォーカルのケリーが出していたとか。さすがに楽器をたしなむ友人はライブの見方が一味違う。ラストは待ってましたの「Helicopter」。これはどうしても聴きたくてうずうずしていたので、嬉しかった。


楽器の中で一番印象に残ったのはドラムで、性急で鋭角的なリズムを正確に叩くめがねのお兄さんマットは、メンバーの中でもひときわ目立っていた。このバンドの核だと思う。しかし、演奏に限っていえば、友人はギターが少し先走っていたと苦笑いしていたし、「Helicopter」の後半に挿入される冷たいアルペジオとか、「The Prayer」におけるサビのシンセとか、どうしても欲しい音が足りなかった瞬間もあった。まだ若いバンドだし、そこら辺はまだ発展途上なのかもしれない。個人的には、あのギターの冷たさをライブでももっと前面に出して欲しいのだが…


とはいえ、やはり一曲一曲のクオリティがかなり高いバンドなので、どの曲がきても盛り上がれる楽しいライブだった。最後には「See you SUMMER SONIC!」と言っていたから、KASABIANとともに、また聞けるかもしれない。楽しみだ。