レイン

朝目覚めたら、真っ白な部屋にいた、













だんだん目が、その白さに慣れてくると、見えてくるのは、


僕の、時計。


僕の、時間。最近壊れてしまったのか、せわしない、秒針。


その隣には、破れてしまった、歌詞カード。


僕の言葉。かすれて読めない、僕の言葉。




開かないドア、に目をやる。




後ろを振り向けば、写真立て。僕の、思い出。


そのまわりに散らばる、色とりどりの石。


僕は写真立てを、そっと伏せる。


窓。カーテンを開ければ、はめ込み式の窓。


外は真っ白で、とてもじゃないが、見えない、けど、




頬に当たる水滴。僕の、雨。


ぽつりぽつりと雨の音。僕の細かい雨の音。


僕の目は、窓の向こうに。