柔らかい愛とか


「君の隣でそっと生きようとしたこと」


ジミーさんの歌詞はいいんだけど、ちょっと無難かなと思っていて。
でもこのフレーズは、ありきたりかもだけど、ちょっと好き。
こういう柔らかい愛し方がいいなあ、と思う。


「よれよれの幸せを追いかけて」


とか、スピッツは歌ったけど、そんな感じで、気だるく、柔らかく隣にいたいと思う。
俺について来い、幸せにしてやるから、とかのがもてるのかもしれないけど、
僕はそういうのはちょっと無理だな。そんな自信は持てないよ。


「僕は君の隣で勝手に笑ってるから、その幸せそうな目を見て君が笑ってくれればいいや」


とかそれぐらいしか言えない。僕が勝手に幸せになっても、
きっと君を笑わせ続けることはできないんだろうけど。
「もうこんなに長い時間が経ったのに、キスぐらいで幸せになれるんだね」
なんて、そんなことを呆れ顔で言った女の子がいたような気がする。誰だろうね。


僕を幸せにすることなんて、きっと簡単だよ。
僕の猫背をぽんと叩いて、「もっと背筋を伸ばせば格好いいのに」っていえば、
多分そんなんでいいんだから。まだ猫背が治らないのは、
その台詞を奪いたくないから、なんていうのはちょっと格好つけな嘘だけど。


僕の中の「幸せ」って言葉には、よれよれとかしわしわとかくしゃくしゃとか、
そういう修飾が似合う。輝いてもないし、永遠でもないけど。
じゃなくちゃ恥ずかしくて口に出せないしね。


シンプルな曲のシンプルな歌詞で、シンプルな言葉を引き出されてしまった。
僕を笑顔にすることなんて簡単だけど、
僕が笑顔になって、しわしわの幸せを包装して手渡しても、
どこかの誰かを笑顔にすることなんてできないのかな。できたらいいのにな。