学校の研究室から

今日は哲学の授業中に隅っこの唯一のひなた席でうとうとしていたのだけど、
難解な哲学用語が音楽のように耳に響いてきてとても心地よく眠ることができた。
日なたは少し暑かったけれどぽかぽかして、
教室の外では淡い緑色の葉を付けた緑が揺れていた。


哲学カフェ、とかあったらいいかもしれない。
白髪の先生がただ淡々と、ホワイトボードで哲学を解説し続ける。
それを美味しいコーヒーとか紅茶とかを飲みながら聞く。
カフェの中には柔らかな日差しが差し込んでいて、テーブル席で眠るのは自由。
一部の真面目そうな眼鏡の学生が先生に必死に質問してるのを聞きながら、
僕は哲学用語の硬質な心地よい響きを感じて眠りにつく。
多分この世でもっとも幸せな眠りが得られる場所になるだろう。


え、真面目に哲学やっている人に怒られるって?
僕らは哲学とこれぐらいの距離で接すればいいんだって。
だってあの学問に本気で取り組んだ天才たちは、
大抵考えすぎて不幸な思考の迷路に陥って死んでいっているのだから。


彼らも考えるのをやめて、幸せな昼寝ができたら、よかったのかも。哲学カフェで。