躁鬱状態

友達から突然「お前にアドバイスをしてやろう」って電話がきた。
別に何も相談はしていない。だって僕は今困ってないのだから。
まあ少しの閉塞感ぐらいなら感じているが、
晴れた日があれば曇りの日もあるように、
心に全く閉塞感がなく晴れ渡っているなんてもう死亡フラグにしか思えない。


というわけで「いや別に困ってないんだけど」と言っていたら、
彼は自慢話をはじめてきた。まあ別に自慢話を聞くのは嫌いじゃない。
さらりと日常会話のように惚気てきたりとかそういうのと違い、
自慢話には少しの空しさが漂うところがいい。
無駄に嫉妬したりとか、無駄な感情を生み出さずともよいのである。


ただ、どうにも元気よく自慢話を続けすぎるので、段々気味が悪くなってきて、
「気持ち悪いんだけど躁状態じゃね? 大丈夫か?」と我慢できずに言うと、
彼は「確かにそうかも、不安だ」と言い始めた。
そして、元気の良い調子のままで、空元気だと認めてしまった。


結局相談を受けてアドバイスをしたのは僕だった。
最後に電話を切るときに「じゃあ元気出して頑張ってな」と言ったのだが、
友人に修正された。


「それをいうならじゃあ元気『なくして』頑張ってな、だろ」


なるほど。そうか。僕は言い直した。


「じゃあ元気『なくして』頑張ってな」


結局、バランスが大事なんだと思う。元気だろうが幸せだろうが金だろうが、
多すぎても少なすぎても良くない。バランスが悪いのは良くない。
きっとそう言う事なんだろうな、と思った。