summer sonic 2015 tokyo day1

きゃりーぱみゅぱみゅ@MARINE STAGE 11:00
世界のKawaiiアイコンを見たいので頑張って早起きして新幹線に乗りきゃりーへ。アップで写った瞳は相変わらずいい感じに死んでおり、その周りを仮面をかぶった子供が満面の笑みを浮かべてダンスするステージは、ジブリが得意な「綺麗なものの中に醜悪さを交える」ならぬ「可愛いの中に悪意を交える」だなあと。これが日本の得意技で、世界で受け入れられたのかも。決して目が死んでいた理由はSEKAI NO OWARIのFukaseと別れたせいではないのだ。


中田ヤスタカ勢のライブは基本大音量でCD音源をかけて、あとは視覚で魅せる感じなのだけれど、きゃりーも例に漏れずそれで、上述の醜悪さとかきゃりーと一緒に踊ったりとかで他と差別化する感じ。「一緒に踊ってね」とフリを教えながら「もんだいガール」をアカペラで歌った時に、意図せずきゃりーの生歌を聞けたのだけれど、けっこう生歌も上手で、これが聞けるのはライブだけ、といった感じか。なんか(悪い意味で)ボカロ曲みたいだった新曲のハロウィンソングとか、キックは音がぶれていてお世辞にも良い音ではないところとかはご愛嬌で、Kawaiiを堪能できたライブでした。やっぱりファッションモンスターが格好いいな。


ねごと@BEACH STAGE 12:15
チャットモンチー以降の自然体女子ロックバンド、ねごと。wikipediaを見ると、高校の思い出作りとしてバンドやってたらここまで来ちゃった、てへ☆みたいなディスコグラフィで、やはり好みです。そりゃあこれだけいい曲書ければそこらへんのバンドには負けないよね。そんな彼女らの曲はCDを聞いているとキーボードが肝かなと思うのだけれど、ライブでは、ドラムが全体を引っ張っている感があり、このバンドの肝は実はドラムだったのかと思ったり。ドラムうまい女子と言えばマキシマムザホルモンのナオちゃんだけれど、ねごとのドラムもなかなかのものです。


短いライブだったけれど、カロンとか有名曲はしっかりやってくれて楽しいライブでした。テンションあがりすぎると演奏にミスが増える当たりがまたこの若さを感じさせたりして。曲が良くて演奏も上手なので長く遣って行けるバンドではないかと。ボーカルの女の子が決して美人ではないけれど好みなのです。


MARMOZETS@MOUNTAIN STAGE 13:10
イギリスのラウドロックバンドをチラ見。エヴァネッセンスとかその辺を彷彿とさせるけれどそれよりもゴリゴリ感が強い。意外とこの辺りが再評価される時代がくるのかな、ボーカル顔がはっきりしてて美人だなーとか思いながら通り過ぎました。


CIRCA WAVES@SONIC STAGE 13:40
曲の短さと爽やかなリフがよいバンドと聞いてこれもまたチラ見。その通りの爽やかなリフが気持ちいいロックバンドだったのだけれど、ボーカルの声思ったより渋いな!と思いました。


MADEON@MARINE STAGE 14:20
明日のZEDDに備えてEDM勢を2階席からまったり鑑賞。なんかひょろひょろした兄ちゃんだなーと思いきや音は抜群に良い。EDMって基本的にシンプルな作りの音楽だから音がごちゃごちゃせずいい音が作りやすいのか、このひょろひょろしたお兄さんに才能があふれているのか。ゆったりEDMというのもまたよい感じである。


よくあるCDJとかPCとかあまり使ってるように見えず、なんか四角いボタンが規則的にならんだハードを使いこなしてました。ボタンプッシャーとEDM勢は良く馬鹿にされるけれど、これだけボタンがたくさん並んでると結構ボタンプッシュも大変なのではないかな。


BABYMETAL@MOUNTAIN STAGE 15:40
結構楽しみにしていた2013のサマソニ以来2年ぶりのBABYMETAL。MADEONの最後の曲をあきらめて早めに駆けつけたけれど既に入場規制かかりそうな盛況ぶり。良くも悪くも注目を集めている。そしてサマソニにくるような捻くれ洋楽好きは実は可愛い女の子が好きなので(ソースは自分)、MOUNTAINのアイドルが満員になるのは良くある光景である。PerfumeももくろにつづいてBABYMETAL、お前もか。


かなり予習してしまったので、あまり意外性はなかったのだけれど、それでもスターウォーズを模したB級感溢れる映像でテンションがあがり、到底アイドルと思えないSU-METALの睨み殺されそうな座った目が非常に格好よく、なんだかもうすでにBABYMETALはアイドルの枠から外れつつある感じがする。僕はアイマスのライブにも行きますが、高揚感がアイドルのそれではない。とてもじゃないがプロデュースできそうにない、応援などおこがましい。耳が痛くなるバスドラ連打のガチメタル演奏でも遠く高く響く彼女の歌声はまさにバンドの核であり宝物だと思います。


唯一残念だったのは、Road of Resistanceで合唱をしてる人が少なかったところ。まあ、曲を知らないで聞きにくる人が多いから仕方がない。あのyoutubeの大合唱を味わいたければ単独しかないか(サマソニ勢は簡単には合唱してくれないのです。フランツフェルデナンドとかが合唱させようとして滑ったりするのもサマソニではよく見る光景)。それでも最後まで強烈に格好よく、今が旬の勢いを感じさせるライブでした。見終わった後の清涼感はまさにハードロック/メタルのバンドを見終わった後の感じです。


9mm Parabellum Bullet@RAINBOW STAGE 16:30
大学生の時にかなり聞き込んだバンドの念願の初ライブ!なのだけれど、BABYMETALの後に聞いたのと、新作を聞いてなかったので知っている曲がほとんどなかったせいか、不完全燃焼で終わりました。激しいライブが売りのバンドなのだけれど、極端に激しいライブをBABYMETALで見てしまった後なので、「あーよくあんなに体ぶんぶん振りながらベース弾けるなあ、ねごとならミスるだろうなあ」とか冷静に見てしまった。


決して悪いバンドではないのだけれど、ハードロック/メタルに片足を突っ込んだ激しい演奏に歌謡曲から演歌にまで足を踏み入れそうなメロディのギャップで売るというのはもっと極端なのをBABYMETALがやってしまっているし、最近のキッズ達はきっと彼らよりKANA-BOONとか聞く気がするので、9mmもそろそろ次の方向性が必要なのではないかと思ったり思わなかったり。


食事と昼寝@幕張メッセ
レッドブルウォッカとカロリーメイトだけで今日を乗り切れるのではないかと思っていたら腹痛に教われ、なんとなく体が塩分を求めている気がしたので、若干気持ち悪いのに無理をして油そばを食べました。結果的に当たりで、だいぶ体調が回復した。ポカリだけで塩分を取るのは無理だ。油大事。そして昼寝。


RADWIMPS@MOUNTAIN STAGE 18:20
チラ見。そういえばこの日は終戦記念日で、終戦記念から70年たった日だったりしたそうで、ちょっと遅れて駆けつけた時には「爆弾が落ちた日も僕は君と愛を語る」みたいな歌詞を野田洋次郎がピアノで弾き語りをしており(あいとわ)、もうこれでだけでRADWIMPSらしさ全開である。この強烈な個性はもうキッズがKANA-BOONとかSEKAINOOWARIの歌詞を黒板に書くようになっても、こいつらは絶対生き残れるだろうなという力強さを感じました。野田洋次郎の愛は超重い。そして戦争という重いテーマを歌う時に「それでも愛を歌うだろう」と歌う真摯さは薄っぺらく綺麗ごとを歌う人をなぎ倒す力があると思うのです。


そんな感じに会場のテンションを聞き入りモードにした後に「よっし盛り上げるぞ」と強引に「ギミギミック」で無理矢理テンションをあげてきて、セトリむちゃくちゃだなあと思いながら、5年前かそこらにライブを見た時よりもうまくなったなあと思って聞いていました。彼らの歌詞の書き方はミクスチャーサウンドに乗せるのがどう考えてもあうのだけれど、ミクスチャーバンドに求められる演奏力が足りてないのが前回見たライブでの不満でした。もうそれもないなあと。次がなければ絶対最後まで聞いていた。RADWIMPSはやっぱり凄い。


THE CHEMICAL BROTHERS@MOUNTAIN STAGE 19:25
そしてこのためだけに友達と予定を合わせず1日目に来たといっても過言ではないTHE CHEMICAL BROTHERS。ダンスケイアクト大好きの私がUnderworlddaft punkthe prodigyも見て唯一見ていなかった彼ら。新潟にしか来ないのかと思いましたけれど新作が来たこのタイミングでまさかのサマソニ参戦。歓喜


RADWIMPSを早めに切り上げたのにも関わらず、アリーナは長蛇の列になっており、僕は開演に間に合うギリギリのタイミングで並びます。なんだかんだ言って今の人達はケミカルよりZEDDだろう思っていたのですが、この人気はライブバンドという評判故か。人気があるのはうれしいことだ。


そして開始からいきなりキラーチューンの「Hey Boy, Hey Girl」である。ビープ音一つで会場のテンションはMAXに。Sigur Rosしかり、一音で景色を変えられるバンドは例外なくいいバンドである。隣の知らないお兄さんと「Hey Girl, Hey Boy, SuperstarDJs. Here We Go!!」と叫ぶ、踊る。楽しすぎる。


とにかく彼らのライブは音がいい。僕の耳は決して高品質ではないが、音の輪郭がはっきりしていることぐらいは分かる。音の一粒一粒がぶつかってくる。そして音量調整が絶妙。Swoonの際大好きな曲なのに音が小さいと思ったら僕の耳が飛行機に乗った時みたいになってただけだった、つばを飲んだらなおった、みたいなこともあり。常に適切な音が適切な音量とタイミングで飛んでくる気持ちよさ。


「Saturate」でVJと現実の巨大風船がシンクロしてステージを彩ったときあまりの多幸感に少し泣き、その後の「I’ll See You There」でのゴジラ映画の宇宙人みたいなB級映画的怪しげな扮装をした人物が曲にあわせて何かしらの儀式をやるようなVJと音の怪しさに意識を飛ばされ、「Believe」のひたすら建物を進むカメラがぶつかりそうでぶつからないVJあたりで麻薬的気持ちよさがマックスに。この時には周りもほとんど踊らず、口をぽかーんとあけて見ている感じであった。隣の人が「もはや芸術...」と言っていたが、いや、これは麻薬だと思う。音も映像も本気でこっちの気を狂わせようとしてきてる。


危ない映像と言えばAphexTwinの映像も危なかったが、あれはパフォーマー側が狂ってんなーって感じだった。これはこっち側を狂わせるための映像だ。危ない。あの映像の最後に宗教的なメッセージとか織り込まれたら頭の中書き変わりそうである。危ない。このライブがあれば麻薬いらないというべきか、このライブを麻薬を打ちながら聞いたら本気で人生終わるというべきか、むしろそれが日常的に行われていたのが過去のRAVE PARTYだったのかなとか、思った。


そんなこんなでこれまでに体験したことのない快楽物質が頭の中を巡るのを感じながら、最終的には「Block Rockin Beats」で肉感的に踊らせてきて、踊らされて終わる。ライブ後の余韻がすごく、普段ならばこの後幕張メッセに戻ってマリリンマンソンとか聞くのだけれどそれもやめて帰る。文句なしの本日ベストアクト。それどころかそれまで経験したサマーソニックの中でもベストアクトのような。こんなライブ見たことない。


しかしこのライブの危うさは、純度の高いダンスミュージックとはニアリーイコールで麻薬だと言うことをはっきりと僕の体に刻み込んだのであった。かれらはRAVE出身のはずだが、そのころのPartyと比べたら、EDMって安全で健全な文化だなあ、と少しの皮肉を込めて。