summer sonic 2015 tokyo day2

KANA-BOON@MARINE STAGE 11:20
マリンステージのトップバッターと言えばメロコアであり、ELLEGARDENあたりが印象に残っているが、今はKANA-BOON。メロディと歌詞がいいバンド、というのはいつの時代も強いし、必要で、ELLEGARDENは僕にとってそれを極めたバンドだったのだけれど、彼ら亡き今も、それを担うバンドがちゃんといる。素晴らしくキャッチーな曲の連打で、最後は名曲と名高い「シルエット」で締め。シルエットは本当にいい曲だ。


MAN WITH A MISSION@MOUNTAIN STAGE 12:50
まさかのセトリ変更で開始直後を見逃し、友達共々ショックを受けた。Web上のセトリは変わっていたのだけれど、配布された冊子のセトリはそのまま。せめて注を挟むぐらい欲しかった。「もう始まってるじゃん!」と悲しみながらも途中から合流。TVで聞いたことある通りの、安定した演奏で本当にうまい。彼らの中身は年季の入ったバンドからの混成メンバなのではないかという説に妙に納得してしまうぐらいである。Fly Againは本当に彼らのアンセムで、会場の後ろの方までみんな手を挙げて振りをしていて、この曲のノリはサマソニ勢にも受け入れやすいらしい。きゃりーの振りと違ってロックだから恥ずかしくないのだ。Cメロ以降のコードが変わるサビが本当に高揚感ある。


ちなみに彼らの着ぐるみは口の位置が変なところにあるから、ボーカルをカメラで写す時は口が写らないように顔の上の部分だけが映るらしい。本当にそうなっていて、なんか面白い。「見る方に気を使わせるバンドだね」というのは、友人談。


BIGMAMA@BEACH STAGE 13:40
セトリが変わったことであきらめていたBIGMAMAが見れるようになって、途中から見に行く。ボーカルが噂通りの優男イケメンで、思った通りちょい臭いMCをしていたのだけれどそれはまあご愛嬌ということで、やはりバイオリンの音が効いていて、アルペジオが綺麗な良いバンドと思う。BEACH STAGEはむちゃくちゃ暑いのだが、後から来てもアーティストがとても近くで見られるのでよいです。


Sweet DreamsをTUTAYAで一目惚れして好きになったので聞きたかったけれど、やってくれなかったのが残念。でも締めのMutopiaはとても爽やかで良い曲でした。曲はとても良いので、歌詞からもっとキッズ臭さが抜けてくれるとさらに好きになれそう。


THE SCRIPT@MARINE STAGE 14:55
まだ日本では無名ながら、Mr.Childrenばかり聞く友人も惚れさせたバンド。実にメロディアスな曲を書くバンドで、スケールも大きいのでドームでの合唱とかが似合いそうです。さすがに知名度的に合唱はなかったけれど、ステージの中にガンガン入り込んで歌って警備員に止められるボーカルの「みんな大好きだー」という感じのハートフルさと、ちょうど曇り空で雨がちらほらする中で聞く美メロは素晴らしい。これから日本でも人気が出てほしいなあと思った。ちなみにここのボーカルもイケメンなのである。このご時世にリーゼントみたいな髪型で色気出してそれが似合っているのだけれど、なんだろうこれ。


ちなみに僕はこの日、友人とアリーナのブロックを逆にして予約するという失態をやらかし、アリーナに入り込むボーカルが友人の目の前ぐらいまで来ているのを2階から眺めていたのですが、美メロに癒されてギリギリ正気を保っていたのでした。


ZEDD@MARINE STAGE 16:15
そしてついにZEDD先生の登場。若干25歳、私より年下にしてEDMの王様、気がついたらApple MusicのTOPにも新作「True Colors」のジャケットが並び、まさに時代の寵児という感じ。そしてBIGMAMA、THE SCRIPTに続くイケメン3連続。音楽の才能があるイケメンとか腹立つわー。モテて仕方ないだろうに。


そして「Ture Colors」きってのキラーチューン「Beautiful Now」でいきなりマリンステージは巨大なダンスフロアに変貌。ロッキンオンの山崎編集長のレポート曰く、2階席まで総立ちで踊っていたそう。これは次の月のロッキンオンがドラマチックに「ロックフェスをEDMが塗り替えた日」などとセンシティブな見出しで特集が組まれてしまう。


そこからもキラーチューンの連続、若干センチメンタルだった「True Colors」もアゲアゲにアップデートされ、MAGIC!のボーカルもフューチャーし、マリンステージは完全にどこかのクラブハウスに。テキーラを持ってくる店員がいないだけでそれ以外は完全にダンスフロア。ZEDDが手を挙げてバスドラムの連打がくる度にマリンステージの全員が飛び跳ねる光景は恐ろしいほどのパーティ感。周りの人は踊り狂うわ、携帯で記念写真や動画を撮りまくるわ、肩車をするわ、の酒が入っていないとは思えないほどのやりたい放題。僕はZEDDの曲は本当に好きなんですが、この光景には正直なところ、若干引いてました。このリア充感、ちょっと苦手だ!せめて近くに友達がいればよかったけれど、チケット取りミスでいないし!しかし、そんな僕の複雑な心境等つゆ知らず、ZEDDはそのフロアの中心に立った一人で、まさに王様のごとくオーディエンスを踊らせ、笑顔にし続けました。


友達と合流後、友達がEDMを適切に言い当てる一言を言っていました。
「ZEDDは仕切り屋さんだね」
まさに、そのとおり、EDMの踊らせ方は「仕切り」です。適切にパーティを仕切り、盛り上げ続ける音楽がEDMなんです。EDM勢に若手イケメンが多いのも納得。だって、仕切られるのならば、はげ上がったおっさんより、若いイケメンに仕切られたいですよね。彼らはスネアドラムの連打からのバスドラムの4つ打ちをCDJでコントロールし、パーティを仕切っていく。そして客はその命令通りに踊ることの仕切られる楽しさを植え付けられる。これは音楽としては、正直かなりずるい。


ZEDDはシンプルなCDJと時々シンガロングさせるために音量を最高に小さくするためのつまみだけをひねるだけで、あとはライブ中、手を挙げたり観客をあおるだけ。正直誰でも同じパフォーマンスを一ヶ月も練習すればできるようになるでしょう。もちろん、そんなことは彼も百も承知。それを分かった上で曲だけで勝負して勝っている、誰も文句は言えない。でもやっぱりこれは、ずるい。


この「ずるいな」という感覚を持った人が、EDMのブームに苦言を呈している人であり、僕のように少し置いてきぼり感を感じた人だということ。一方、それでもこれだけパーティ感のあるライブができる音楽はEDMをおいて他にない。なぜなら、THE CHEMICAL BROTHERSも、Underworldも、daft punkも、the prodigyも、そのダンスミュージックとしての麻薬性は効きが悪い人がいるけれど、EDMのスレアの連打からバスドラでは踊らない人はいない。王様の仕切りにはあらがえないのだから。


ZEDDのライブをサマソニのベストアクトに選ぶ人はたくさんいるでしょう。これから、EDMはまだまだ広がっていくでしょう。気難しいサマソニ勢すらパリピーに変えてしまったのだから、これからさらに一般層にも広がるでしょう。そして、それに反抗する人達もこれからたくさん出てくるでしょう。ある意味、ダンスミュージックはこれから面白くなるかもしれない、そう感じたライブでした。


CARLY RAE JEPSON@MOUNTAIN STAGE 17:40
「Call Me Baby」も「I Really like you」もyoutubeで億再生をたたき出す世界の歌姫。だけれど、ライブは思ったより等身大の女の子感が溢れており、まるでUS版miwaと言った感じで、親しみやすさに逆にびっくりしました。結構バラードも多めで、ZEDDで疲れた足を癒しながらまったりと楽しめました。


Pharrell Williams@MARINE STAGE 19:25
そして最後はこれまた出す曲出す曲世界的なヒットを繰り返すプロデューサーであり、daft punkにfeat.されたりしてその歌まで評価されているファレル先生。20代と言われても分からないぐらいのイケメン。この人もまた時代の寵児となる運命を背負った人である。


友人含めみんな知っている彼。でもまあ、ネプチューンズから好きな訳でもないしお酒を飲めるしとスタンド席を選択。これが大当たり。彼の色気のある声も、ミニマルなフレーズを繰り返す伴奏も何もかもむちゃくちゃお酒に合う。いい音楽といいお酒とはこれほどまでに良い物なのか。という感じで、最初の「Freedom」のピアノから軽く酔った頭に絶妙なほどにしみ込んでくるクールさ。このミニマル感、ビート感、邦楽ではなかなか聞けない。


最初は「Happy」を含むソロアルバムから、途中からHIP HOP色の強いN*E*R*D時代の曲という構成で、正直POPS路線の最近の曲の方が好きなので途中少し退屈に思えたところはある。ただその印象も、最後のGet Lucky〜Happy〜Freedomの畳みかけで完全に塗り替えられてしまった。ファレル氏は見るからに女の子好きそうだし、実際ライブでも綺麗なダンサーと円陣くんだりしてるし、絶対女の子大好きなはずなのだが、それが音楽にも現れている、つまり、お酒を飲んで女の子と踊るために究極的に合う音楽なのだ(注:お酒だけでも周りが男ばかりでも、大丈夫、十分楽しめました)。サマソニ5回目にして、スタンド席で酒を飲みながら酒に合う音楽を聴くという新たな楽しみ方を知ってしまった!


最後の2回目の「Freedom」軽快なビートとピアノとコーラスが気持ちよすぎて頭から離れなかった。本日のベストアクトは彼に決まり。これからはサマソニに「酒を飲みながら気持ちよく聞く枠」を確保することにする。


BabyMetalでアイドルの極北を見て、THE CHEMICAL BROTHERSで麻薬としてのダンスミュージックを聞き、ZEDDで最大規模のパーティを仕切るダンスミュージックを聞き、最後はPharrell Williamsの黒人のリズムで踊りお酒をのむ。カラフルでバラエティに富んだなんとも充実したサマーソニックだった。ベストイヤー。