モリアーティ教授が「パパ」とフランケンシュタインに言われて喜ぶ世界。それがFGO。

夏が来た。ガチャの夏だ。FGOだ。

モリアーティ教授を奇跡的に無課金で引けたので、

シャーロックホームズも引きたいと頑張ったら、

2周年記念とかメンテのお詫びとかの石が全部消えて、

あとには何も残らなかった。虚無。

 

まあ、それはいい。シャーロックホームズの話をしよう。

もはや探偵という概念そのものと言える彼らの。

 

シャーロックホームズシリーズの一ファンとして、

あのモリアーティ教授が新解釈されて、

FGOで生き生きと振る舞っているのを見るのはとても痛快である。

今や、夏イベント(ギャグ色強め、夏だし)で、

フランケンシュタイン(もちろんFate世界では女の子にされている)に、

「パパ」って言われて喜ぶ道化である。

 

シャーロックホームズファンは大切な登場人物を、

そんな風に扱われて怒らないのか?

と、あなたは思うかもしれない。

まあ、怒っている人ももちろんいると思う。

けれどね、モリアーティを「ザ・悪のカリスマ」として、

超格好いいキャラとして「だけ」捉えている人は、

多分ホームズにどっぷりというファンではない。

シャーロキアンと呼ばれる人たちであれば、

歴史小説家として名を残したかったコナン・ドイルが、

さっさとシャーロックホームズを終わらせようと作った雑なキャラであり、

既に作中でキャラがブレてることを知っている。

 

Wikipediaでも言及されている。

ジェームズ・モリアーティ - Wikipedia

高名な数学教授として安楽椅子に座って、

計画だけを犯罪組織に与えて狙った獲物を必ず殺す

犯罪会のナポレオンなはずが、

ホームズの家に直々に訪問して忠告したり、

電車に乗って追っかけて来たり、

武術の達人のホームズと滝壺で取っ組み合ったりする。

いや、あなたが出てきちゃダメでしょ、みたいな。

 

そんな矛盾も抱えつつ、実はこれだけ有名でありながら、

登場作品がたった6作品と少なくてあまり詳細に描かれていない、

ということを逆手に取ったのが FGO のモリアーティ教授である。

お茶目な髭の似合うアラフィフ紳士。

まあしかし、実際にホームズとモリアーティが英霊として、

召喚される世界があったらこんな感じかもなーと思う。

 

変に超格好いい悪の総帥と描かれないところで、

FGO を僕はとても評価している。

 

むしろ、シャーロックホームズ側が苦しい。

まあ、彼はモリアーティと違って原作であまりにキャラが固まっているし、

  (ほっとくとヤクは吸うし部屋にピストルで穴を開けて遊ぶし)

  (現場這いつくばって操作するし以外と負けてるし)

かなり扱いづらいんだろうなーと思う。

特にミステリーでもなんでもない FGO については、

理論がふわっとしてるので、

ホームズがドヤ顔で「まあ、当然わかってたけど」みたいな顔しても、

冷めてしまうことが多い。

創作における天才キャラは扱いが難しいのだ。

 

ホームズは今後もFGOにおけるキーパーソンだし、

モリアーティのように独自キャラを確立して

くれるのを期待してるんだけど、

まさかコナンとかじゃなく、

Fate がシャーロックホームズを、

こんなに押してくるなんて、うれしいなあと、

そんな風に思っているのでした。

 

ちなみにモリアーティがピックアップされたガチャは、

過去最大の収入を獲得したとか。

さすが犯罪会のナポレオン、

悪い文明のガチャとも相性がいいのですな。