少女終末旅行を見たよ

★★★★☆

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個人的にはノッツさんの漫画を思い出す絵柄。

 

2017年は人が滅んだ後の世界を描くアニメが目立っていた気がする。けものフレンズもそうだし、宝石の国もそうだ。これらの共通点は終末感を使って人間の本質を鮮やかに描き出して行くところにある。動物や宝石を人に似せることで、人間っぽいけど人間ではない何かを浮かび上がらせたりする。

 

少女終末旅行はその中で最も直球で、しっかりと人間が戦争的なにかで滅んでおり、それを直接的に描写するシーンもちらほらある。その中でほのぼの少女二人が哲学をするという仕掛けである。ぽろっと、主におばかキャラのユーリ側が、一言ものすごく本質を突くような台詞を言うのだ。

 

この「てつがく」が刺さるかどうかが、このアニメの感想を大きく左右するのだけれど、僕に限って言えば「ふーん」となる回もあれば馬鹿みたいに刺さりまくる回もあった。特に機械とコラボする9話「生命」と音楽の本質を問う10話「波長」は刺さりまくった。ユーリの一言ではっと視野が広がるような感覚は本当に素晴らしい。

 

音楽と映像がその一点にピークを迎えるように集中する作りは初期の新海誠にも近いかもしれない。

 

ただ、極度にデフォルメされた女の子と寂しい風景は人によってはセンチメンタル過剰すぎて受け付けられなかったり、もしくはだるかったりするかもしれない。僕も回によってはだるく感じたりするのでこの点数である。

ただ、「波長」の盛り上がりは今も心に余韻が残って思い出すと泣きそうになる。そんなアニメ。

 

ついでに、こころりPさんのミクとコラボ同人もおすすめ。機械と終末は僕が最も弱い組み合わせなのに、ミクちゃんなんてでてきたら……。

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