2018年ベストソング10選

今年はゲーム「Nier:Automata」にハマったことから古いゲーム音楽発掘に夢中になってしまい、いつもの年ほど他の曲を開拓できなかったなー、と思っていますがやります。
最後の( )は総再生数です。ではどうぞ。

 

10. Play A Love Song / 宇多田ヒカル (27)

初恋はなかなかとっつきづらいアルバムだった、と素直に思います。淡白なメロディ、シンプルで音数の多くないアレンジは未だ音が多めで派手な曲が多いJ-POPとしてはいささか物足りなかった。しかし彼女のライブでは初恋の曲も生まれ変わるかのように生き生きと鳴らされており、あわてて何度も聞き返したことでこの順位に。

特にこの曲はシンプルな四つ打ちからゴスペルコーラスが絡むあたりが実にセンスがよろしく、アルバムで聴くよりは断然ライブですね。祝福感満載で幸せになれます。

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9. Summer Gate / 佐藤千亜妃 (27)

2018年はたくさんライブに行けたのですが、きのこ帝国だけ行きそびれてしまったので2019年に期待しています。僕はきのこ帝国のR&Bチューンに弱くて、少しクロノスタシスを思わせるこの曲が一番気に入りました。気だるい恋愛をしている少しスレた女の子が思い浮かぶ歌詞が未だ刺さってしまうのは僕がうまく年を重ねられていないのかもしれないです。全体的にポップスにまとまってた新しいきのこ帝国のアルバムより、全曲方向性がバラバラな彼女のソロの方が刺さったなあ。

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8. 清廉なるHeretics / 毛蟹 Feat. DracoVirgo (28)

Fate / Grand Order 亜種特異点Ⅳ 禁忌降臨庭園 セイレム の主題歌。今年はボーカロイド曲を漁れなかったのでいつものボカロ枠がないのですが、毛蟹さんはもとボカロPから商業作曲家にStep Upした方だったりしますのでこれもボカロ枠、かな。

とにかく静かなピアノのイントロから最初のサビの多重コーラスのアレンジが好みど真ん中で、その勢いで最後まで聞いてしまった曲です。最後まで聞くとだいぶハードロック調のアレンジになっちゃってアニソン感がしすぎてしまうのはちょっといまいちなのですがそこは商業作曲として仕方ないかな。アニソンみたいなものだし。

セイレムの配信自体は去年だったのですが、魔女裁判というテーマは人間の愚かさを直球で示していてとても好きですねえ。過去の人間が塩で満たした水に魔女候補を沈めて「ほら、こいつは水に浮くから魔女だ! 死刑だ!」とか真面目にやっていたと思うと背筋が寒くなりますよね。曲も不穏なものが揃っていて、この曲以外にも「迷信の街」のずっと同じベースラインが鳴り続ける感じも好みでした。

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迷信の街も是非。再生回数は19回でした。

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7. WATER BLUE NEW WORLD / Aqours(30) 

今年もラブライブは強かったです。しっかり紅白にも出場していて後ろに二次元キャラの正解ダンスが映る中で(本当に恐ろしい演出、アイマスではやらない)絶対失敗できないパフォーマンスをしっかり成功させていて見事でした。紅白で歌った曲ではありませんが、この曲はアニソンの特徴であるめまぐるしい上に転調を多用するコード進行が楽しめる曲です。サビの途中でさらに一回転調して盛り上げてくるマシマシ手法を使ってきて、アニソンの良い意味での過剰さが楽しめる一品となっています。30回聞いたらちょっと飽きちゃいましたけれど。

コード進行は以下のサイトにあります。
サビの2フレーズ目でわかりやすく+1されていますね。
WATER BLUE NEW WORLD / Aqours | rechord - 演奏もできるコード進行共有サービス

解説記事も見つけました。

fujiwaland.hatenadiary.jp

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6. 初恋 / 宇多田ヒカル (31)

歌い出しから消え入りそうな細い声で歌う新たな初恋。ドキュメンタリーでは最初はリズム入りだったのがリズムをなくしたほうが緊張感がでると気づき、オーケストラを予約するシーンが記録されていましたが、まさにこの選択はバッチリで、この曲のなんともいえない緊張感はリズムレスでなければなし得ないでしょう。

「もしもあなたに出会えずにいたら
 誰かにいつかこんな気持ちにさせられたとは思えない」

という歌詞がまたすごいですね。もはや初恋というよりは、人生の指針との出会いのような、憎みながらも絶対に離れられない何かのような、そんな感じです。

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ショートバージョンで1000万再生ってすごいですね。

5. Break In To Break Out / Lyn (31)

Persona 5 のアニメ版OPですが、これはすごい曲です。何がすごいって、むちゃくちゃシンプルなアレンジなのにアニソンなのですよ。キックと裏打ちのハットのみで手数の少ないリズムを刻み、ギターと少しのエレピでABメロをシンプルに鳴らし、サビでストリングスを入れる。こんなにシンプルなのにこのOP感。ちょうど7位にラブライブの工夫に工夫を凝らしたアレンジの曲を紹介したので対比していただきたいのですが、アニソンって基本ヤサイニンニクマシマシなこってりラーメンなのに、この曲は麺と醤油スープとネギだけで美味しいラーメンなんです!

是非アニメOP映像とともに聞いて欲しい。OP映像もサビで敢えて「静止画」になってライトで音合わせするという小憎さ。引き算の美学ってやっぱり格好いいです。

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4. 鏡面の波 [Orchestra Ver.] / YURiKA (43)

これはごめんなさい。完全に去年の2位鏡面の波を引きずっています。鏡面の波は本当に好きで今年も40回ぐらい再生数を足しました。オーケストラバージョンになるとメロディ自体も美しいことがよくわかるのですが、それで再生したというより、原曲が好きすぎてアレンジもたまに聞いてたら今年4位になってしまった感じです。

僕はロックが好きな人って一応公言しているつもりなんですが、エレクトロニカがそれと同じぐらい好きなの認めざるおえないんですよね。僕もギターより電子音の人かもしれない。実は。

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3. Be The One / PANDORA (43)

2018年の衝撃的な事件の一つとして小室哲哉氏が音楽業界から引退したことがあるのですが、その前にはAccess浅倉大介氏とユニットを組んでこんな格好いい曲作ってたんですよね。まだまだ小室哲哉枯れてないどころか、テクノのレジェンドたる二人がいまだにこんなにみずみずしいテクノを作って仮面ライダービルドのOPに色を添えるなんて痛快だなと思っていた矢先で凄まじくショックでした。

是非聞いてみてください。一周回って気鋭の新人アーティストのテクノと言われても不思議なこの勢い。でもよく聞くとシンセ使いに二人の匂いもしたり。あー小室哲哉が音楽発表しないなんて日本の多大なる損失ですよ。もう。

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2. POP TEAM EPIC / 上坂すみれ (45)

2018年で最も尖っていたアニメといえばポプテピピックなんですが、そのOPは意外なほどに格好良い出来でようやく日本にも浸透したEDM、ダヴステップにさらに電波ソングチップチューンの要素を足してできています。この曲を歌いこなすのは、過去に12拍子変態アニソンなどを歌いこなした経歴のある上坂すみれ嬢。いい感じに感情を抑えて歌っているようにも見え、この曲を理解して歌いこなしている感じがあります。

結局このアニメ、この曲以上に尖った曲はなかったように思いますね。

この辺が現在ロックがヒップホップやテクノに遅れをとっている理由かもしれない。つまりテン年代はギターではなく電子音で叛逆するんですよ。きっと。

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これはさらに覚悟を決めないと聞き辛い彼女のデビューシングル。歌が12拍子です。無駄にイントロが長い上に痛い。でもすごく尖っている。

あとやっぱり彼女はなんか目が死んでる気がする。そこがいいんだけど。

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1. Lemon / 米津玄師 (50)

普通すぎでごめんなさい。

でもこの曲もまた一般受けしまくっているのに批評家も語りやすい曲で、まず最初に「いまだーにあなたーのことをーゆめーにみる(クェッ)」っていう謎の鳥の声のようなサンプリングがきっちり入っていて。これは洋楽好きな人がピンとくるサンプリングです。これをこの美しいバラードにぶち込んでくるのが彼のセンスなんですよね。

もともと初音ミクの曲を投稿していた頃から彼は「美しい」要素と「汚い」要素をまぜて美しく仕上げるのが得意でしたが、よく考えるとそれが得意なのってジブリ宮崎駿なんじゃないかやっぱりトップクリエイターってそうなるのかって感じもしますが、それがプロになってさらに洗練された感があります。一時的にその「自由さ」さが失われたように感じた時期もありましたが、今は編曲家が優秀なのか「あーもしかしてボカロの頃もこれが本当はやりたかったのかな」というように彼のやりたいことが現代最先端のどの要素であるかをきっちり理解して洗練された音に変えてくるので本当に無敵な感じがしますね。

付け加えていえば、この曲はサビのメロディが抜群に美しいです。彼の低い声からひねり出す高音がまたこの曲の美しさに熱を添えています。2018年は彼の年。文句なし。

あと、この曲2.4億再生してるんですが、日本の曲が億再生行く日がくると思いませんでした。日本の人口からして億はありえないと思ってたのですが内訳はどうなっているんでしょうか。時代は完全に変わりましたねー。

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以降、次点というより同じぐらい好きなのですが集計方法(2018年発売の曲を2018年の再生回数で並べているので前半発売の曲が有利)によってカウントが少ない曲達。

16. Another Silent Way (Film Edit) / Underworld (19)

今年は地味に僕の大好きなUK勢、UnderworldProdigymuse あたりが新譜を出してくれた年でもありましたが、完全にPOPを取り込み時代進化した muse より、自分の音を突き詰め続ける UnderworldProdigyがピンときました。特にこの曲は Underworld でも久しぶりのヒット。得意の削岩機風のような忙しないビートに、子気味良いシンセがなる疾走感溢れる曲です。

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18. Future Pop / Perfume (18)

僕は中田ヤスタカのオリジナリティをまだはっきり理解できていなかったなあと思い知らされました。次の作風などいらない、彼はずっとこんな感じで曲を作り続ければそれだけで革新であると、改めて気づきました。Perfumeのライブでこの暴力的に潰された音が鳴らす音の圧の中で踊る姿はすごかった。まだまだ、チームPerfumeの快進撃は続くのでしょう。

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22. 丸ノ内サディスティック / 宇多田ヒカル&小袋成彬 (16)

宇多田ヒカル椎名林檎は今年も天才でいてくれて助かる、とはゲスの極み乙女の川谷さんのコラムでの発言ですが、本当にそうですね。そしてそんな椎名林檎の曲を宇多田ヒカルと新進気鋭のシンガー小袋成彬でカバー。悪いわけがありません。Jazzyな仕上がりでありながら、クラブでもかけられる四つ打ちでもあり、なんとも浮遊感が心地よい仕上がりです。どうも宇多田ヒカルは最新の音(メロディではなく、音そのもの)にはそんなに興味がないらしく、アドバイスに小袋さんを頼ったりするらしいですね。

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29. 獣ゆく細道 / 椎名林檎宮本浩次 (13)

今年も天才でよかった。椎名林檎のペアシングルシリーズ、2018年になってわかったのですが、これは彼女のプロデューサー力を見せつけるプロジェクトなんですよね。ウルフルズ宮本浩次と組んで彼らの力を最大限に引き出す。彼女自身はフロントに立ちながらも目立ちすぎずに微笑んでいる。紅白の絵も圧巻の出来でした。今日も人を斬って帰ってきた浪人宮本浩次を迎える花魁の女林檎、そんな世界観を完成させる見事さ。バンドとはパフォーマーなのですね。YouTubeTwitterでみたMステのパフォーマンスを数えるともっと再生しています。

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過去ログ。

2017 2017年ベストソング10選 - 夕べの夕陽の眩しさの理由。

2016 2016年ベストソング10選 : 君にブログの才能はない。

2015 2015年ベストソング10選 - 夕べの夕陽の眩しさの理由。

2014, 2013, 2012, 2011, 2010, 2009, 2008 (null)

2007 

2007年ベストアルバム10選 - 夕べの夕陽の眩しさの理由。

2007年ベストソング&ベストイリック - 夕べの夕陽の眩しさの理由。

2006

Album of 2006 - 夕べの夕陽の眩しさの理由。

2005

2005邦楽 アルバムBEST5 - 夕べの夕陽の眩しさの理由。

2005洋楽 アルバムBEST5 - 夕べの夕陽の眩しさの理由。