殺風景な白い部屋。
そこにぽつんと、ツギハギだらけの心が置いてある。
それを、遠くから眺めている。
ごくたまに、僕はその部屋に降りていく。
心に触れてみる。
金属のツギハギは冷たい。
けれどその奥で、ゆっくりと、脈打つ感触がある。
確かめるように、脈打つ感触がある。
何かに祈るような、そんな気分。
今日も、その部屋に降りていった。
メリメリ、ペリペリ・・・
音を立てて、ツギハギが離れていってる。
その振動を感じる。
少しだけ心地よかったから、そのままにしておいた。
何かが間違っていることは、分かっていたんだ。
心は、完全にバラバラになって散った。
殺風景な白い部屋。
バラバラになった破片で汚れている。
そのそばに誰かいる。
そのそばに、僕がいる。
必死に、つなぎ合わせている。
不器用な手つきで、いびつにつなぎ合わせている。
僕はそれを、遠くから眺めている。
見ていられない。
気づいたら、叫んでいた。
「バラバラのままでいいんだ。
それで、安定してるんだ。
中途半端に、直さないで!
その不安定に、僕は耐えられないんだよ!!」
僕は、悲しそうにこっちを振り向いて、
また黙々と、作業を続けた。
眩暈がした。
僕はその場に座り込んで、ただ静かに泣いた。
ただ静かに、泣いた。