のだめカンタービレ(♯8)/二ノ宮 和子

のだめカンタービレ (8)
ネタばれありです。ありなのです。


父親が、何故か父親が、少しずつ買ってきてくれます。で、今8巻。


最初は、もう少しコメディ路線かなと思ったけど、どんどん本格的なクラシック音楽の漫画になりつつありますね。8巻では、幼稚園の先生になりたいとかなんとかいってたはずの、のだめが、めまぐるしく進化していくさまが見れます。いやあ、なにかこういう「今まで眠っていた才能を自覚しだす」っていう展開はいいですね。ドキドキします。


「こいつはただ上手いだけやない。人を動かす何かを持ってんのや。(あの千秋に蟹を貢がせるほどのなにかを・・・)」とはハリセンのセリフ。そうなんだよね、音楽ってただ上手いだけじゃダメなんだよね。その何かを持っている人が、「上」に進んでいく。まあこれは芸術全般に言えるんだけれども。


あとは、クラシックの世界には、ロックやテクノの世界にはない、「そこにある曲を、どう解釈するか」っていう部分があって、それがすごく面白い。のだめが言う、「なんとなく・・・・・・付き合ったことのないタイプの人と付き合ってみたくなったっていうか」というセリフが、その「解釈」っていう部分をよく表していると思う。


作者の人は、そんなクラシック音楽をすごく愛しているんだと思う。絵だけで音を表現するのは大変なはずなのに、しっかり伝わってくる。しかし、コレはぜひ、何か実力のある劇団を使って、しっかり音つきでドラマ化して欲しいなあ。聞いてみたい、のだめちゃんの自由奔放なピアノを。


だいたい、「花より男子」ってドラマが去年やってましたよね。あの時間は、本当は「のだめカンタービレ」がドラマ化する予定だったんですよ。でも、ジャニーズ事務所が、千秋(=ジャニーズの子がその役をやる予定だった)の出番ばっか増やさせて、のだめの出番を減らすって言うから、作者が撮影を許可しなかったんだとか。まあそんな、ジャニーズに圧迫されて作ったドラマじゃあ、良い出来にはならないだろうけど。もったいない話だ。


まあとにかく、読んでない人がいたらオススメです。少女漫画だけど、これはそんなこと全然関係なく面白く読めると思う。恋愛なんてだいたいオマケぐらいでしか出てこないし。まあ、最初の2巻ぐらいは、ちょっとコメディ度合いが強いけど(それはそれで面白い)、そこでやめちゃダメ。そう、「NANA」を1巻だけ読んで、やめちゃダメなように。絶対面白くなると思ってどんどん読んでってください。まじでオススメです。


そして、はやく続き買ってきてくれー。