ハリー・ポッターと謎のプリンス(上・下)

ハリー・ポッターと謎のプリンス ハリー・ポッターシリーズ第六巻 上下巻2冊セット (6)
遅ればせながら、読みました。
ネタばれなしで感想を書いてみたいと思います。


まず、主人公達がかなり成長しています。とくに恋愛面において。
しかしこの成長、あんまり思わしくないところにも進んでいます。
結構どろどろしていて、そのひどさと皮肉な会話の応酬に吹き出す反面、
被害者となった子たち(簡単に言えば「当て馬」となった人たち)を思うと、
ひどく不憫になったりもしました。
とりあえず、上巻を読んだ後の抱いたメインの印象がこれだったので、
現実的だなと褒める気持ちと、生々しいと嫌になる気持ちが戦っていました。
とりあえず、ハリー・ポッターってかなり「現実的なファンタジー」
なんだってことだろうと思います。
冒険ももちろんたくさんありますが、人間関係もけっこう掘り下げるなあと。


で、下巻に差し掛かると展開がもともと早かった上でさらに加速し、
本当に引き込まれるように一気に読んでしまいました。
ここらへん、昔ほどの情熱がなくなったとか言っていた僕も、
このシリーズの強烈な引力を改めて感じましたよ。
(ただ、昔よりも翻訳が気になるようになってしまいました。
たまにリズムが悪かったり、文章がちぐはぐな気がするんですよね・・・。)

ところで、いつものこのシリーズのラストにあったどんでん返しみたいなものは、
今巻にはあまりありません。起こるべくして事件が起こってしまう感じで、
いろんな謎は最終巻に持ち越しといったところでしょうか。


ああ、この次でラストなんですね。
楽しみでしょうがないですけど、その反面寂しくもあります。
ただ、安易で馬鹿げたようなハッピーエンドにはならないと思うので、そこは安心しています。


もう書かれているという最終章では、一体何が起こっているんでしょうね。
それが知りたくてたまらなくなる、そんな第六巻です。