SUMMER SONIC 2006 東京2日目(前編)

サマソニに行って参りました!!結局友達とは一回も会えずに、一人で終始まわっていたんですが、それゆえに自由で、音楽だけを純粋に堪能できました。意外となんとかなるものです(フジロックを一人で見るのはさすがに怖いけれど、サマソニならね)。もともと、僕はサマソニを「祭り」というよりは、「ライブがたくさん見れるところ」としてとらえているので、これで正解かもしれないですね。


では、いざ感想をば。



会場にたどり着くと、まずはマウンテンステージへ(2番目に大きいインドアのステージ)。そこで始まるMUM DJ SETを見ようかな、とうだうだと迷っていたせいで、マリンステージ(一番大きいアウトドアステージ)に行くのが遅れた。移動時間も10分を見積もっていたが、やはり甘い。アリーナ席に行くにはどうすればいいか迷っていたら、エルレ開演5分前に。なんとか間に合ったと思ったら、巻き上がる歓声と聞き覚えのあるイントロ…まさか…

ELLEGARDEN


聞き覚えのあるアルペジオでフライングスタート。4分前ぐらいかな。しかも一番聴きたくて一番期待していった「Space Sonic」じゃないか!!多分もともと少ないステージ時間を、有効に使おうと言う細美さんの優しさなのだろうけど、僕はこう言いたかった…「時間は守ろうよ!」


しかし、彼らのライブはいい。特になにかあるというわけではないのだけど、こういうバンドにありがちな「ノリを重視しすぎて、歌が適当になる」ということもなく、自分の歌の美しいメロディを大切にしているライブだと思った。「Red Hot」も「Supernova」も、「ジターバグ」も開放感あるメロディがたまらない。イントロがやたら格好いい「Salamander」はやはりライブでこそ映える。


印象的だったのは、途中「どうしてもやりたくなったからやらせて」と言ってはじまった、1stからの「Middle Of Nowhere」の、切実さを感じるメロディの美しさ。1stには独特の暗さがある。それもまたいい。


最後は「にゃー」でもいいから歌ってと言われて、「Make A Wish」。祈るような合唱。イマイチみんな声をだしてなかった気がするが。でもこの終わり方を生で聴けてよかった。気付いたらもうTシャツは汗だくでした。



そのあと、駆け足でステージ移動。このアグレッシブさ、こんな自分を再発見、みたいな。

BOOM BOOM SATELLITES


というわけで、汗水たらして三回目のブンブンにたどり着く。結構人が多いです。やはり「ON」と「FULL OF ELEVATING PLEASURES」中心の選曲で、ガツガツと踊らせてきます。問答無用で身体が動く。


しかし、前回のライブや、新作を聞いたりしつつ思っていたんですが、踊らせ方が直線的。問答無用に格好良いんだけれど、パターンが似ているので、最後のほうではちょっと食傷気味になってしまうんですよね…もともと、イギリスから売れ始め、時代の最先端をいっていたはずのブンブンだが、最近分かりやすい方向に流れすぎでは?もっと、複雑なビートが飛び交って、みんな踊ることすらできないまま立ちすくむぐらいの、挑戦的な曲を一曲はさんでもいいんじゃないかな。


三回目で衝撃が薄れていたのかもしれないけれど、うっすらと最近のブンブンに感じていた不満が、そのまま的中しちゃったようなライブでした。まあしかしながら、「Dive For You」「Pill」は文句なしに格好よかったけどね。



さて、ここからは休憩。汗だくのTシャツを着替え、「俺らArctic Monkeys見ないよ」というメールから友達と会うのをあきらめ、一人でおにぎりを食べる。一人はこれはこれで自由だ。寂しくなんてない。


次に見るものを迷っていた。候補としてはANDREW W.K.SPARTA LOCALSなどがあったけれど、これから控えている大好きなバンドで暴れる体力を残すため、マウンテンステージに留まることを選ぶ。着いたとき、ちょうど、We are Scientistが終わるところだった。

THE KOOKS


これは掘り出し物でした。こういうことがあるから、フェスっていいなあ。キレのいい乾いたサウンドとギターがイギリスっぽくてよかった。アコギをかき鳴らす曲が、特にそのキレがよく効いている気がしてよかった。CD借りてみたい。

ARCTIC MONKEYS


まず人の多さに驚く。明らかにアルバム一枚だした新人のステージとは思えない。登場も、ブルーライトとBGM使って、しっかりじらしたりしてくる。


しかし、それだけの力はやっぱりあった。その緩急のついたキレの良い曲たちは、ライブで機能することがアルバムを聞くだけで簡単に想像できたが、まさにその通り。本当にうまい。ガツンと盛り上げるところの演奏の一体感もあるし、音を少なくする部分での1フレーズにしっかり印象的なものをもってくる彼らは、「緩」から「急」の隅から隅まで格好よくて、身体が動くのを止められなかった。曲の終わりに、ギターをかき鳴らすとか余計なことしないで、ぱっと終わるところも、歯切れが良くて気持ちがいいし(自分達の曲のよさを良く分かってる)。むしろ、こんなに完成していて、次があるのか心配になってしまうぐらいだ。


一番盛り上がったのはやはり「When the sun goes down」だった。もう弾き語りのところから、あがりそうになるテンションを抑えるのにみんな必死。ドラムとギターが入り、あの印象的なベースが聞こえてきたら、もう狂喜乱舞。あまりの盛り上がりに、ヴォーカルちょっと苦笑。


素晴らしいライブだった。完成されすぎてて、ちょっとこれから怖いけど。
いいアルバム1枚しかもってないバンドって強い。