なんだかもやもやした感情が拭い切れなくて、結局いつもと同じ夜の過ごし方だと思いながらも、また感傷的な音楽を耳に流し込んでいる。はあ、またしてもなんて健康的な夜なんだろう。こんなに健康的な精神状態だったら、日本健康委員会とかからCMのオファーが来ちゃうんじゃないだろうか。そんなオファー、困るなあ。僕は暇な時間を持て余すことに忙しいから、拘束時間は一日最高三時間でお願いしますよ、もう。
今日塾で教えた、いつもにこやかな顔をしている中学生の生徒は、
「こういう表情をしていると楽なんだ、実際楽しくはないよ」と言った。
生徒と積極的にコミュニケーションし、見るからに楽しそうに教えている友達の女講師は、
「実際楽しいわけないじゃない、いつも塾の日が来るたびに嫌になる」と言った。
そんなことを言われたら、僕が上に書きなぐった皮肉すら本当になってしまうよ。夜が来ると適当に悲しくなって、適当に悲しい音楽を聞いて、適当に悲しそうな顔をして、適当に気持ちよくなってる僕は、どうしようもなく健康なんだよな。でも健康って言葉がなんだか好きじゃないから、ちょっとCMは遠慮しておきますね、スイマセン委員会の皆さん。では、おやすみなさい。
