涙のふるさと/BUMP OF CHICKEN

涙のふるさと
無茶苦茶クールなジャケットとともに(しかもこのロボット、メンバーで作ったオブジェだそうです)。BUMP OF CHICKEN、一年ぶりのニューシングルです。


CMで使われた「会いに来たよ」の優しくてちょっぴり甘いリフレインに、耳を奪われた人も多いはず。そのサビで分かるように「涙のふるさと」に、「プラネタリウム」や「Supernova」の、苦悩の末に生み出されたような、美しく重いメロディはありません。この曲にあるのは、まるで頭の中に浮かんだそのままをそっと外に出してあげたような、そんな開放的で伸びやかなメロディ。


涙が会いに来る、そんな素敵な擬人法を用いられた歌詞もいつも通り深く、そしていつもよりほんの少し優しい。こんなバンプは久しぶりな気がします。もちろん、その苦悩や重さもバンプの魅力ですが、この曲にある希望やいい意味での軽さは、今のバンプの好調を示しているようで嬉しくなります。しかし、藤原さんの声ってこんなに甘くて、包容力があったっけ。男の僕ですらときめいてしまいそう。


カップリングの「真っ赤な空をみただろうか」も、伸びやかで明るいメロディが聞ける、疾走感がある曲。明るすぎてちょっと戸惑うぐらいです。ちなみにいつもの隠しトラックは、なんだかちょっと感動的で、歌詞が真面目になったら、普通にシングル曲になれそうだったり。


今製作中という次のアルバムは、「ユグドラシル」よりもポップになるかもしれない、そんな予感がするシングル。一度でも聞けば、「会いに来たよ」って口ずさみたくなると思いますよ。