ストレイテナー LINEAR MOTOR CITY TOUR(at Club Diamond Hall)

会場に着いたのは開始15分前。それもこれも、新栄駅をいつもと違う出口から出て、迷ってしまったから。多分iPodから流れていたのが54-71だったのにも、原因があったのではないかと思っている(不安を煽るのだ)。そして僕は相変わらず空気を読めず(読まず)、MewTシャツを着ていた。友人はいつの間にかライブ仲間の子を彼女にしていた。その彼女は相変わらず僕を見ると「(縦に)うすい」と言った。そんなこんなでライブは始まる。


(以下セットリストあり)


まずは、ゲストバンド、LITEの演奏から。まったく知らないバンドだったんだけれど、結構心に引っかかった。インストバンドなんだけれど、Mogwaiのようにじわじわ盛り上がっていくわけではなく、せわしいリズムと、(ZAZEN BOYS的な)無音と、激しい展開で魅せるバンドだった。展開がめまぐるしいがゆえに、「後もうひとつがつんと来て!」ってところで終わっちゃったりしたけれど、これはインストバンドはどうしてもMogwai的に聞こうとしてしまう僕の悪い癖なのかもしれない。久しぶりに、前座を楽しんで見れた。


そしていよいよストレイテナー登場。始まりの曲は、偶然にも僕がストレイテナーと出会った曲「WHITE ROOM BLACK STAR」*1だった。始まりのギターカッティングが大好きだ。少しテンポは遅めにして、どっしりとした演奏を聞かせる。ここら辺にバンドとしての自信が現れているような気がした。ヴォーカルの音量も大きめで、ホリエ君のつむぐメロディが大好きな俺は嬉しかった。


3曲目には新曲の「BIRTHDAY」も披露。切なさの強いメロディと、攻撃的な演奏の盛り込まれたかなり格好いい曲で、初めて演奏する曲にもかかわらず、会場はかなり暖まった。そして「泳ぐ鳥」のイントロのベースプレイで、日向君の存在感を再確認。本当に、日向君を得たストレイテナーはさながら水を得た魚だ。もともとギターもドラムもどちらかというとシンプルだったテナーに、フリーキーでメロディアスなベースで、力強いグルーヴをもたらしたのだから。やっぱり、日向君を必要としてるのは、ザゼンよりはテナーなんだろうなあ。


「Melodic Storm」で一回目のヤマに達したところで、軽いMCをはさみ、キーボードが会場に現れる。「SIX DAY WONDER」、こういう繊細な曲もできるのがテナーの強みだろう。日向君もここでは淡々とやさしくベースを弾く。そのあとは、「Sad Code」でセンチメンタルな流れを引き継ぐ。


「これからだぜ!」日向君がそういうと、始まったのは一番聞きたかった「Dead Head Beat」。このイントロが鳴った時、一番大きな歓声を上げたのは多分僕だ。ここからの流れは凄まじかった。「Dead Head Beat」、「BERSERKER TUNE」、「KILLER TUNE[Natural Born Killer Tune Mix] 」。冷たいグルーヴ、気だるいグルーヴ、ダンスライクなグルーヴの三連コンボ!これはもう踊るしかないということで、メガネのままモッシュゾーンに突っ込んだ。我慢できなかったんだ…それでもなんとか、メガネは無事だった。「KILLER TUNE」はテンポがかなり速くなってて、本当にダンスミュージックみたいだった。


その後も「TRAIN」、「ROCKSTEADY」と勢いはとどまらず、最後は「Discography」でフィニッシュ!友人が、この曲を聞くと無性にギターをかき鳴らしたくなるって言ってたけど、それも分かる気がする。メロディアスなのに、ダンスの要素も含んでいて、それでいてロック。会場は最大の盛り上がりを見せたと思うと、アンコールをせずに彼らは去って言った。


ライブバンドの名に恥じない、素晴らしいライブだった。というか、正直自分はテナーのライブを舐めていたと思う。こんなに高揚し、それでいて繊細さも持ち合わせたライブ。その中核をなしているのは、やはり日向君のベースだと思う。彼のベースが曲を支え、それでいてヴォーカルに負けじと歌い、グルーヴをひっぱっていく。


新しいアルバムが出てからのライブがもうすでに控えている。新作が素晴らしかったら、どうしようもなく行きたくなってしまいそうだな。お金が足りないのに…とにかく、素晴らしいライブ。邦楽で僕が今一番期待しているのは、ストレイテナーかもしれない。

セットリスト
01 WHITE ROOM BLACK STAR
02 SAD AND BEAUTIFUL WORLD
03 BIRTHDAY(新曲)
04 The Novemberist
05 泳ぐ鳥
06 Melodic Storm
07 SIX DAY WONDER
08 Sad Code
09 FREEZING
10 Dead Head Beat
11 BERSERKER TUNE
12 KILLER TUNE[Natural Born Killer Tune Mix]
13 TRAIN
14 ROCKSTEADY
15 Farewell Dear Deadman
16 TRAVELING GARGOYLE
17 DISCOGRAPHY


(no encore)

*1:初めて借りたのがシングル「THE REMAINS」だったから