LOVE

君が何も見えないように、僕は君の目を覆った。
君が何も聞こえないように、僕は君の耳をふさいだ。


君が何か言いかけたから、僕は君にキスをした。



恐る恐る目を開けると、君は首をかしげていた。



君が何処にも行かないように、僕は君の手を握った。
君が何処にも行かないように、僕は君を抱きしめた。


君は少しじたばたして、やがて僕の胸に顔をうずめた。
ほんのりと、シャンプーの匂いがした。


僕は抱きしめる両腕に、さらに力を込めた。
震えているのを悟られないように。