Favourite Worst Nightmare/Arctic Monkeys

(これは、5/1に書かれた記事です。諸事情により日付を移してあります。)
Favourite Worst Nightmare
アルバムを二枚しか出していないのに、もうすでにサマソニヘッドライナーを任された、
超早熟UKバンドの2ndアルバム。


前作は、個人的には、とにかくここぞと言う時に挿入されるリフの力と、めまぐるしい展開が印象に残るアルバムでした。近作でも、相変わらずリフは冴えていますが、それに加えてメロディのセンチメンタリズムやリズムが強化され、総合力で魅せるようなアルバムになっていると思います。


もう一曲目の「Brianstrom」から切れまくりです。イントロからドラムの激しい乱打!妖しいリフも格好いいですが、これはとにかくドラムが歌っている、ドラムが主役を張る曲です。かと思うと、「Balaclava」では、珍しくUK的な切ないメロディを反復。「Florescent Adlescent」の明るさはイギリス的ポップスを思わせるし、「Do Me A Favour」は哀愁漂うメロディを聞かせる曲です。


さすがに1stの路線で、もう一枚アルバムを作ってしまうと、半分くらいで食傷気味になってしまうかなあと思っていました。しかし彼ら、しっかり僕らが疲れた頃に、メロディ主体の曲だったり、ポップよりな曲だったりを持って来るんですよね。そのおかげで、一曲一曲に詰め込まれるアイディアは濃いのに、アルバム全体でさらっと聞ける。本当に器用なバンドです。


ちょっと過剰評価されているとは思いますが、自分達の良さを見失わずに、正常進化ともいえるアルバムを作ってきたところ、その評価も妥当なのかも。とにかく、文句なく格好いいアルバム。きっとライブもまた、すごいんだろうな。「Brianstrom」なんか演ったら、イントロのもみくちゃなドラムが聞こえてきた瞬間に、観客ももみくちゃになるんでしょうね。


ただ、サマソニのヘッドライナーというのは、ちょっと違う気がします。彼らは、トリの前にさらっと演奏して去っていき、「トリよりArctic Monkeysのほうがよかったよな」っていわれるタイプのバンドですよね。そう思いませんか?