SUMMER SONIC 2007(大阪一日目)[前編]

(※この記事は転載です。やはりこっちのブログのが収まりが良いので)



さて、今年のサマソニですが、イメージとしてはとにかく暑かった。会場だけでなく、休憩スペースまでもが外でまったくもって焼け死にそうでした。フジロックのように山の中でもない環境で、これは少し厳しい条件です。(去年行った東京のほうがはるかに環境が良かった!)


その状況下、もともと僕自身の体調管理が甘かったせいもあり、ライブ途中で頭が痛くなってきてしまいました。それでも、好きなバンドは全力を尽くして、前の方で見たのですが、最後のほうで限界が来てしまい、それが大きな判断ミスを誘ってしまいました。このあたりは最後に触れますが、とりあえずステージのいい回り方が出来なかったのは確かです。僕はもともと特別お祭りが好きというわけではなく、「たくさんのアーティストが同時に見れる」という利点でフェスに参加しているので、このことで、去年より後悔の残るサマソニになってしまいました。せめて、来年は誰かを誘って一緒に行きたいと思います。


そんなこんなでちょっぴりローテンションですが、サマソニレポです。


会場に近鉄急行を乗り継いでゆっくりと行くと、最寄駅の桜島駅に着いたのは12時50分ごろ。そこから結構歩いてシャトルバスに乗る。このときちょっと嫌な予感がしていたんですよね。シャトルバスとか、行きはいいけど、帰りはどれだけ込むんだと……10分ほどバスに揺られて会場に着くと、マキシマム・ザ・ホルモンが観客を煽る声が聞こえてきて、「あー今年もフェスに来たんだなあ」と実感。とりあえず僕は、友人から薦められていたまま結局聞いていなかったけど、でも興味はあったGOOSEを見るためにダンスステージへ直行。



GOOSE



一曲目は、リフ一発でガンガン攻める「Black Gloves」。このシングルから連想できるように、バキバキのダンスミュージック。浮遊感のある電子音は一切使わず、ギターとベースとノイズで攻め立てる曲は、少し単調でライブのラストのほうでは少し食傷気味になったものの、文句なくアガります。ヴォーカルがシングル以外のどの曲にもフィーチャーされていることで、ちょっと聞きやすかったのもよかったです。到着早々、しっかり躍らせてもらいました。締めの曲のドラム連打には脳みそを揺さぶられたし、なかなか楽しめたライブでした。



そして、GOOSEを見た後は、前々から会場で話そうと思っていた、バスターズさんと連絡を取るも、なんと携帯がつながらない。去年の東京会場では余裕で繋がったのに。メールを送る度に、何度も送信を試みなければならず、メールを受信するにも新着メール問い合わせを何度もしなければならず、一回のやり取りにも苦労するほど。実はバスターズさん以外にも知人が4人ほど会場にいたのですが、これからライブ終わるまで誰一人にも会えないとは。まあ、自由奔放に動き回ってた僕にも原因はあるんですが……バスターズさん、ごめんなさい。


そして、HYの「AM11:00」に癒されながら、火が今ひとつ通っていない上にたこが小さいたこ焼き(500円)を食べ、冷え切っていないポカリ(250円)を飲んで休憩し、メインステージへ。



BLOC PARTY



二回目のBLOC PARTY。前回小さいハコで見たときも思ったのですが、会場のせいか、その時よりもさらに音のバランスが悪かったように思います。一曲目の「I Still Remember」はまだ良かったんですが、その後の「Hunting For Witches」で、ほぼドラムとヴォーカルしか聞こえない状態に。ガツンと来てほしいところで音が来ないというのはどうにも……「Waiting For The 7.18」も、サビではモグワイばりのギターが聞こえてきてほしいのに、聞こえてくるのはやはりドラムばかり。ドラムが重要なバンドだと言うことは分かるんですが、それでもこの音のバランスはちょっと……と思ってしまいます。もういいやと思って、前方から撤退してしまいました。アルバムの完成度が高く、しかも、今後フェスのトリが似合うような壮大な曲を書く可能性を秘めている(と僕は思っている)バンドだけに、随所で言われているこのライブの下手さは、なんとか克服してほしいなと思いました。最後は、前回見た時と同じで「Helicopter」で締めでした。



MANIC STREET PREACHERS



そして僕の一番の目当て、MANIC STREET PREACHERS!しっかりピンクのマニックスTシャツで行ったのも全てはそのため!頭痛なんかなんのその、しっかりと前列に陣取って見ました。まあ、もともと客の入りはそこそもだったので、苦労したわけではないですが。


そしてメンバー登場。グラサンで登場したジェームズはともかく、化粧と赤Tシャツと白パンで登場したニッキーに釘付けに。この人たちってもうおじさんといわれる年齢のはずなのに……なんだろうこの若さ。曲だけでなく、バンドの歴史がドラマティックな、僕の中で「生きた伝説」といえるバンド。彼らをこの目で見れただけでもテンションが上がります。


そして始まった一曲目は、いきなり「You Love Us」。いきなりこの名曲をやってしまっていいのか!この曲で感じたのは、ニッキーの声の素晴らしさ。本当に良く通る声なんですよね。その上凄くハイトーンで、叫ぶことだってできる。最高のヴォーカルだと思います。そして曲からもわかるように、ギターソロも素晴らしく格好いいです。


曲は満遍なくいろんなアルバムからやってくれました。印象に残っているのは、女性ボーカルのパートをジェームズが裏声で歌っていたのがちょっと気持ち悪かった(笑)、ポップなメロディが素晴らしい「Your Love Alone Is Not Enough」、サポートメンバーがトランペットのパートも吹いてくれて感激した「Ocean Spray」、マニックスらしいリフと、ギターソロの格好よさにもだえる「Autumn Song」です。「You Love Alone Is Not Enough」の「you stole sun of my heart」と歌うパートでは、少しですが合唱が起こりました。「I LOVE YOU」という書置きを残して疾走した、リッチーのことを歌ったパートだと思うと、少し切なくなったりもします。


さすがに暑かったのか、年のせいなのか、曲の合間でははあはあ言って息を切らすジェームズが見れました。こういう必死な姿っていうのは、ある意味ロックバンドにとっては格好悪い姿とも言えると思うんですが、マニックスって何故かそれが格好いいんですよね。命を削って歌っているような、必然性みたいなものを感じるかもしれません。


そして待ちに待った「A Design For Life」。たくさんのアルバムを出しているマニックスは、すべてのアルバムを把握して挑むファンばかりではないと思いますが、この曲では合唱が起こりました。もう締めのつもりで聞いていたので、「A Design For Life」と声を絞って歌っているうちに、少し泣きそうになりましたが、普通にまだ曲をやってくれました。


本当のラストは、「Motorcycle Emptiness」で締め。ギターソロが思う存分聞ける初期の名曲を最後に、マニックスは夕焼けの中を去っていきました。


別に特別なことをやるわけでもなく、ただいい曲を奏でるだけなのに、素晴らしいライブでした。僕の思い入れを別にしても、音のバランスも良かったし、グルーヴも感じられたし、なによりジェームズの声が素晴らしさには文句をつけれる人なんていないはず!不満と言えば、合唱すべき時に歌う人が少なかったのと、「The Everlasting」と「Underdogs」が聞けなかったぐらいです。


少し地味だけど、いい曲を書き続けるバンド、MANIC STREET PREACHERS。単独来日があったら、是非行きたい、そう思わせるライブでした。


You Love Alone Is Not Enough