「In Rainbows」が、世界中で鳴り始めた水曜日。

僕は予約をせずに、今日申し込みました。mixiの掲示板を見ると、「予約したけれど、まだ届いていない」という旨の書き込みを見つけて、「聞けるのは明日ぐらいかな」と思ったんですが……それはどうやら、その人のミスだったようで、僕はなんと、手続きを済ませるとその場ですぐにダウンロードアドレスが表示され、すぐに聞く事が出来ました。今は三週目を聞いています。ちなみに付け値は4£(約950円)。器の小ささがばれてしまう微妙な値段ですが、僕はこれから日本版CDも買うからいいのです。……いいのですよ!


レビューは書くつもりですが、まだまだ聞き込みたいので(RADIOHEADのレビューを一回や二回聞いたぐらいで書ける筈がないんですよ。前作の「Hail To The Thief」なんて、ニヶ月聞いてまだ印象が変わったくらいです)今日は、これからダウンロードする人へのちょっとしたアドバイスでも書いてみます。迷っている人へ、少しでも参考になれば。

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まず、下準備として「外国為替換算のページ」で、いくら払うか決めます。


ついでに、どうしても英語の記述が分からずに、次にどこを押せばいいか分からなくなることあると思うので、「翻訳のページ」も出しておく事をオススメします。ちょっとした単語なら訳し間違える心配もないので、分からなくなったらコピーペーストして訳しちゃいましょう。


ここまでが準備です。あとはinrainbows.comにアクセス。そこから[IN RAINBOWS](もしくは[ENTER])、[CONTINUE]とクリックすると出てくるページに着いたら、DOWNLOADの右にある[PRE-ORDER]をクリックすれば、「買い物かご」の中にダウンロード権が入ります。そこで[VIEW BASKET](買い物かごを見る)をクリックすれば購入場面に進めます。


好きな値段を入力して[PAY NOW]をクリックし、あとは新規購入者のところへ飛んで、住所(多分ローマ字じゃないと文字化けします。ダウンロードだけの人は適当でもいいかも。)やクレジットカードの番号などを記入すれば、購入完了。すぐに赤文字でダウンロード用アドレスが表示されます(メールとしても届きます)。


あとはそのZIPファイルを解凍すればOK。テープが擦り切れるまで聞きましょう。簡単ですね!

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今回のRADIOHEADのリリース方法は各方面に影響を与えたみたいで、NINやOASISジャミロクワイなんかもレコード会社に所属せずにフリーでやっていくという方向性を示したみたいですね。(→idiot computer | NEWS » NIN、オアシス、ジャミロクワイもレディオヘッドに続く?


今回僕がダウンロードしてみて感じたのは、この方法が「ビジネスとして利にかなっている」ということです。そもそも今の時代、好きでもないアーティストなら、You Tubeで悪い音質で聞いて我慢するなり、ただでダウンロードするなりいろいろ出来てしまうんですよね。


ならCDを買っている人はなんで買うかといえば、「このアーティストにはお金を払う価値がある」もしくは「このアーティストの音源はCDという目に見える形で取っておきたい」という判断の元、買っているわけです。これって、結局はリスナーの良心が現れた形ですよね。ならば、今回の突拍子もないと思えたRADIOHEADの「値段は君達が付けていいよ」という方法は、CDで買う方法と違うようで、実は根底的には変わらないわけであって。その上、レコード会社の利益が絡まないので、バンドとリスナーが純粋な良心によって、やりとりできるとすらいえるわけです。


きっとこの方法なら、「RADIOHEADには興味はあるけど……そこまでだから、レンタル待ちだな」なんて人もきっと購入するだろうし、どのみち違法コピーで手に入れていたような人も、今回は0円で堂々とダウンロードする。この0円だって、RADIOHEADにとっては名前を広げるという意味で「ビジネスとして」価値のある0円のはずです。少し暴言になりますが、クレジットカードがどうしてもない人なんかは、0円で堂々とダウンロードすればいいと思います。そこに0円以上の意味があるのは確かなのだから。それは精神的な意味でも、ビジネスとしての意味でも。


確かに、彼らのように世界的な人気があり、世界中が新譜を待っているバンドだからこそ出来うるという面もあるでしょう。けれど、「世界中の人に、その人の考えた値段で聞いてもらいたい」という理想論的な部分だけでなく、ある意味下世話な部分――ビジネスとしても一定の成功を収めたという事は、大きな意味があると思います。だって、利益があるのなら、彼ら以外でもこの方法を、すなわちリスナーとバンドがより近い距離で触れ合う方法を、取れる可能性があるのですから。


僕の大好きなバンドであるRADIOHEADが、先駆者的に音楽業界を揺るがす行動を起こした事、そして無論それだけでなく、アルバム自体が素晴らしい事。本当に、「音楽に対する崇高な姿勢」と「その音楽」の両方に今日は興奮しっぱなしです。RADIOHEADというバンドを好きでよかった。