これは、さすがディズニーと叫びたくなるような映画です。
皮肉たっぷりに、自らのファンタジー要素へのセルフ突込みを盛り込み、笑わせておいて、
それでも最後はやっぱりファンタジックにまとめてきちゃうという、
はじめから終わりまでしっかり楽しませてくれる、素敵過ぎる映画でした(以下ネタバレなし)。
……という感想を書きたいなと思いながら映画を観たんですけど、
(日常的に文章を書くようになって、一番損したと思う瞬間は、こんな風に体験よりも、
文章を先回りさせてしまおうとする自分に気付く時です)
まあ言ってみれば、かなり捻くれた形の期待を持ちながら映画を見に行ったんですが、
本当にその期待通り、いやそう思えるってことは多分、期待以上の映画でした。
というわけで、初めから用意していた文章そのままに絶賛できる内容だったのですが、
さらに付け加えるならば、緩急のテンポが恐ろしく素晴らしかった。
ファンタジーになりそうなところを、一旦冷めさせて、でもやっぱりファンタジーみたいな、
一度止まって焦らすことで余計にそれを強く感じるという。
そのおかげで本当に、はじめから終わりまで楽しかった。
僕は基本的にミュージカルはあまり得意では無いんだけれど(音楽は音楽として聴きたい)、
それでもディズニーにかかるとこれだけ楽しめちゃうんだから不思議です。
そうそう、使われていた音楽もいつものディズニーとちょっと違う、
現代的なアレンジが使われていてよかった。
ディズニーの音楽は過剰な楽しさが苦手な僕にも、なんだかすっと入ってくるのですよ。
とにかく、皮肉な笑い、可笑しさの笑い、楽しさから来る笑い、そしてちょっとの感動まで、
小気味よく緩急よくつめこんだ映画なので、ぜひ見てみてください!
きっと終わった後に、歌いだしたくなりますよ。
……あ、あと一言だけ。もしかすると、カップルで見ないほうが良いかもしれません(笑)
※
「はあーいいなあ、俺もファンタジーの国に行きたいわ。マジで」
「君は、私と現実を生きなさい」
「……はーい」