アルバム「LIFE」の先行シングル三枚に収められている、インスト曲三部作。
僕はいつもACIDMANのアルバムを聴くたびに、もっとインスト曲に本気出して取り組んで欲しいと思っていて、その思いはこのインスト三部作を聞いてより強くなりました。これ、すごくいいです。
丁寧な曲展開。ゆっくりと丁寧に張り巡らされるフレーズの伏線が、最後には一つに重なるというドラマ。ACIDMANが追い続けているテーマの一つである「輪廻」、それが非常に鮮烈でクリアな形で曲に現れていると思いました。これだけのモノが、わざわざシングルを三枚買って、さらに曲順を並べ替えないと聞けないのは非常にもったいない、と思います。
僕はそもそもACIDMANを聞くとき、歌よりギターやベースのフレーズに惹かれることが多いです。これは暴論ですが、大木さんは歌のメロディより、インストの反復フレーズを作るほうが上手なのでは？ だからここは一つ、こういったシングルのB面で実験的に行うのではなく、アルバムの半分をインストにするぐらいの思い切った選択をして欲しい。轟音ギターに簡単に頼ってしまう癖にだけ気をつければ、絶対すごいのが出来ると思うんだよなあ。
というわけで、ACIDMANのインストの素晴らしさが堪能できるこの三部作、iTunes Storeでダウンロードすればシングルを三枚買わずとも聞けるので、是非。良質の短編映画を観た気分になれます。
