IEたん(いつもとノリが違うので閲覧注意)

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※画像はイメージです


はあ、またフリーズしたなあ。もうそろそろIEを使い続けるのも限界か。
変えるとしたら何かなー、やっぱ火狐かなー。
オペラとかGoogle Chromeとかも悪くないかもなあ。


「うう、ひっく、ひっく、えぐっ」


ん? うわああああああああなんだよお前! いつからそこに。


「ご、ご主人様は、使い続けてくれると思ってたのに。
狐耳なんでしょ、狐耳に萌えてるんでしょ。
あんなの付け耳に決まってるのにぃ。
私の青髪はちゃんと地毛なのにぃ。
男の人はすぐだまされちゃうんです。うわああああああん」


なんだこの女の子。も、もしかして……


「君は、もしかしてInternet Explorerなの?」


「そうです、ひっく、あ、IEです。
ネットスケープちゃんには、IEたんって呼ばれて、ました。
もう彼女はどこか、と、遠くに旅立って、ひっく、しまいました、けど」


「で、どうしてこんなところに来たの?」


「ご、ご主人様が、狐耳の女に浮気するって言うから、
あたし、悲しくて、うう、出てきたんです、えぐ。
昔は青い髪ってだけで、ひっく、もてはやされたのに、
今はみんな狐耳で、ひっく、巫女萌えだって。あたし知ってるんです!
あたし捨てられちゃうんです! ネスケちゃんと同じ、
暗く遠いところにいくことになるんです、うわあああああああ」


「ちょっ、ちょっと、そんな声で大声で泣かないで!
(このロリ声、完全に俺犯罪者だよ……)
分かった、分かったよ。火狐とか他のに変わったりしないからさ」


「嘘です! あたし聞いてたんです、ご主人様の愚痴!
ご主人様はあたしが重いっていってました。
たしかに、あたしは重い女なんです。
ご主人様が違うブラウザに浮気するのとか、
見てられないんです。あたしだけ見ててほしくなっちゃうんです」


「いや、いいよいいよ、これから重くても我慢するから」


「それだけじゃないです! フリーズも多いって!
確かにあたし、力もないしどんくさいから、
たくさんウィンドウ開かれると重いしわけわかんなくなって、
それで転んで、ウィンドウぶちまけて、うわああああん」


「分かった、分かった。これからあんまりたくさん開かないか、
タブで開くようにするから!」


「タ、タブ!! タブってなんですかぁ。
あたし、バカだからタブとか、教科書読んでもよくわかんなくて、
狐耳とかサファリちゃんにバカにされて、う、う、う」


「あーなしなし今のなしっ!! タブなんて邪道だよね!
それに、悪い事ばっかりじゃないよ。
IEたんにはIEたんの良さが有るじゃないか!」


「あたしの、よ、よさ?」


「そう、例えば、たくさんの人が使ってる、とか」


「ごほっつ、ごほっつ」


「え、ど、どうしたの」


「な、なんか、ごほっ、風邪、引いちゃったみたいで」


(そうか、IEは利用者が多いから、ウィルスにも弱いんだ……)


「ううー頭が痛いよお、ごほっ、ごほっ。
そう、あ、あたし、ごほっ、体も弱いしぃ。
ばかなのにからだもよわいんです。
だからご主人様は狐耳の女のところに行っちゃうんです。
狐耳萌えでタブとか開いちゃうんです!
うわあああああああああん、ごほっ、ごほっ、う、ううう」


「よ、よしよし。大丈夫だから。
一緒に病院いこうな。俺は綾波レイ派で青髪好きだし、
だからずっとIEたんと一緒だからね。
だから一緒に病院いこ? ね?」


「う、うう。はい、ご主人様」

      • -


というわけで、なんでもできちゃう狐耳より、
青髪どじっ娘のIEたんをつかってあげよう、ってお話。


友人に頼まれて書いた。
決して好き好んで書いたわけではない。反省はしている。


ちなみにMacSafariからこの文章を書いた事は、IEたんには内緒な。