ロクでなし魔術講師と禁忌教典をみたよ

★★★☆☆

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金髪の方が正妻枠で白髪はツンデレ

 

ライトノベルの激しいテンプレ化は裏を返せば、テンプレートの中でいかに唯一無二の個性を一つだけでも入れられるかという激しい戦いであり、その点でこの作品の特異な点は……おっと。冴えカノと同じ導入になってしまった。弟が賞をとった同期であり、主題歌はボカロ時代から知るヒゲドライバーさんが作曲、ゆよゆっぺさんが編曲となんだか妙に縁のあるこの作品の売りは、完成度の高い魔法の体系化とGTO的要素にあります。

特に一話二話の導入は素晴らしく、一見クズな先生がひょんなことからやる気になって、暗記ばかりの魔法の授業の本質に組み込んでいくシーンは一見の価値あり。「魔法は究極の自己暗示」から発想を広げて詠唱をプログラミングのように扱った発想はやはり素晴らしく、ニコニコ動画のコメントでも「覇権か?」なんて囁かれていたりしました。

しかし、そこからがちょっと弱かった。回を増すごとに存在感を増す特異点加藤恵と比較すると、だんだんその特異性が薄れていき、最終的にはテンプレ魔法アニメの枠に戻ってしまった感も。アニメ化することで、話を綺麗に詰め込むためか上記の魔法の体系化という要素がどんどん省略されてしまったのもそれに拍車をかけている。GTO的要素が古臭さという方向に働いてしまったのもマイナスかなー。というわけで星は三つ。

モブの生徒にも面白い個性があったり、いい点は多々あるので、個人的には古典魔法ラノベよりはハリーポッター的に学園生活をもっとピックアップする方向に向かって欲しかったです。