冴えない彼女の育てかた(無印、♭)を見たよ

★★★★☆

 

f:id:so-na:20180101225456j:image

この赤いアイライン、発明だと思う。超可愛い

  

■ 一期
ライトノベルの激しいテンプレ化は裏を返せば、テンプレートの中でいかに唯一無二の個性を一つだけでも入れられるかというはげしい戦いであり、その点でこの作品の特異な点は加藤恵というヒロインにある。いかにもなライトノベル的なヒロインが羅列されるこの作品の中で燦然と輝く加藤恵という、名前すら普通なメインヒロインの存在。それが、ただそれだけがこの作品の個性を際立たせています。
彼女だけは、主人公に安直になびかず、クリエイターでもオタクでも妹でも中二病でもなく、本当に普通で、それなのに、ラノベ的な他のヒロインを圧倒する個性と魅力を放っている。それだけが、この作品がノイタミナ枠にに選ばれた理由であり、美麗な作画とすこしオシャレなエロ演出もまたこの作品にあっている。でもそんなことよりも本当に加藤恵がかわいい。
ある意味、ひねくれた僕こそ素直に見ることができる萌えアニメでした。
まあ、ここまで褒めておいてなんですが、ストーリーは普通です。ただただ、加藤恵という存在だけは偉大な発明であり、そこに★ひとつぷらすした、そんなアニメです。

 

■ 二期(♭)
星は同じだけれど一期よりだいぶ面白い。「テンプレラノベ+普通の女の子」に対して2期で「+スポ根(クリエイターとかそのへんの)」という感じでしょうか。
加藤さんの可愛さはさらに洗練され、8話で表題の通り「フラット」な態度がはずれて自分の感情を出してきたところにその頂点を見た。8話の加藤さんの説教シーンと足バタバタシーンはこれからも僕の中で萌えアニメの頂点シーンとして記録されるでしょう。
ライトノベル的ヒロインのえりり(ツンデレ)とうたは先輩(お姉さん系?)のように勢いでキスしたりツインテールでビンタしたりもせず、加藤さんだけは主人公が泣き崩れるところで抱きしめるのかなと思ったらそっと身を引いたり奥ゆかしい。ハーレムアニメに迷い込んだ現実の女の子。
ラノベ主人公は、必ず、ゲス野郎にならないために「ヒロインがどれだけあからさまに好意を示してきても、好かれていると自覚できない」呪いを背負うのですが、加藤さんだけは主人公のともや君のような呪いを抱えていない僕でも「すごく優しいし彼女みたいに振舞ってくれるけれど、この子は僕のことを好きなのだろうか?」と好意の真意を計り兼ねて迷ってしまいそうな曖昧さがあり、告白したら唯一振られるかもとか、そんな感じがしてドキドキしちゃいます。
この普通ヒロインとラノベ的ヒロインの対比って本当に面白くて、つまり、ライトノベル的に現実からデフォルメされた世界で「普通に可愛い普通の女の子」が引き立つという事実が示されてしまったわけなのですよ。つまり、フィクションに現実は勝てるのかもしれない。そんなことすら思いました。
もうこれだけ褒めてるならば星5で良いとも思うのだけれど、それだと僕の中でFate/Zeroとかまどまぎとかと並ぶ出来ということになってしまうので、星は維持で。でも加藤さんには星5こあげちゃう。