だから、泣くな。 『NieR Orchestra Concert 12018』9月17日夜公演 感想。

とにかく前半のレプリカント部の締めのカイネが良かった。スタンダードに泣ける流れを目指したとのヨコオ氏の言葉通り、あえて動画を使わず抑えたエフェクトのかかったビジュアルで少しずつ積み重ねながら、カイネで一気に動画を解禁して花開く構成。エミール役の門脇舞以さんが「旅は間違いだったかもしれないけれど、もう一度同じ旅がしたい、みなさんに会いたい」と演技というより本当に泣いているんじゃないか、という熱量で紹介しながら、その台詞にかぶせて始まる美しい旋律。静かな前半から弦の響きが力強い後半へ。その演技と、ボーカルと、映像と、オーケストラ。全てが泣かせに来ている反則の構成に、無条件降伏して泣きました。

後半のオートマタ曲達は、動画演出を解禁して、特に文章の演出が冴え渡っていた。ただ、やはりオートマタは虚無感が強いので、レプリカントの方が素直に感動できた。もしかしたら、順番は逆でも良かったのではないかと思ったり。

オーケストラに映像や声優さんの演技は邪道、という気持ちもなんとなく持ちながら行ったのだけれど、ゲーム音楽だからこそそういう演出が素直にできるという贅沢もあるよなあと素直に感動。とにかく抑えた映像がとても良かったのです。

ゲームの表現力が上がり続け、開発費は上がり続け、でもだからこそ、ここまで心を揺さぶるゲームができて、こんなイベントもできてしまう。
ニーアシリーズの一つの完成形であり、これからのゲームはこういう展開を目指していくのだろうな、と思った。

 

ニコ生でタイムシフト視聴できます。

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追記。門脇さんは本当に興奮していて、アンコール前のコメントでも熱い言葉を述べた挙句、本当は最後の最後に残すべき「本当に、本当に、ありがとうございました」を先に言ってしまって共演者を困らせていた。その辺り含めてエミールが乗り移ったみたいでかわいい。