出展:http://persona5.jp/sp/
突然、何かの出来事で見える世界が変わってしまうという経験はないだろうか。嬉しいことがあって、世界の全てがキラキラして見えたり、裏切りを疑って、親しく思えた友達が突然得体の知れない生き物に思えたり。そういう心の在り方、すなわち認知の歪みの中を冒険する。それがペルソナ5だ。
このアイディアは小説家ならシリーズとしてずっと使い回せるほどのアイディアだし、ゲームとてこのアイディアをテーマにシリーズが作れるのではないかというぐらい素晴らしいものだと思う。そして、それを軸に、
認知の歪みを冒険し、
その歪みの根本となった欲望を盗む
→主人公は欲望を盗む怪盗
→警察や検察が暴けない悪と戦う
という形で構造は鮮やかに整理され、怪盗というテーマによって赤を基調にお洒落なUIがデザインされ、怪盗が似合う生き生きとしたキャラが生まれた。またそれが、ペルソナシリーズのちょっとリアル志向で大人びたキャラクターデザインと合っていた。
こんなの、面白くないわけないじゃない!
というわけで、ストーリーの軸が見事なので一周100時間という超大ボリュームでありながらぜんぜん飽きさせないゲームが生まれました。
大衆がネットで多数決の正義を振りかざし、私刑を実行できる今だからこそ、本当の正義は自分の心に聞けというメッセージもまた(こうして言葉にするとチープだけれど)今の時代だからこそ考えなければならないなとリアリティを伴って素直に受け止められます。
今更プレイしておきながら、これは売れるべくして売れたソフトだなと思います。ブラボー。真と春がとても可愛い。