遅刻常習犯 vs 時間守る人の戦いを終わらせたい。

レンジで簡単美味しい、というレシピには「ただし茹でたほうが美味しい」という注記が必須だと思います。期待して裏切られるのは嫌なのです。そういうのは無限ピーマンとかレンジでほぼ最強の味が出るものだけにしてほしい。というわけでこんばんは。

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https://www.fate-go.jp/manga_fgo2/comic23.html より引用

ところで、ツイッターランドという地獄(インターネットの八割はリアルが充実してない人の呪詛で成り立っているので、つまり、インターネットは地獄)では、定期的に地獄の釜を開ける人間が現れ、それらを袋叩きにするという事象が発生します。今回はこちらでした。

 これを起点に遅刻常習犯 vs 時間を守る人の戦いが始まり、そしてどこにも結論が出ないまま収束していく。そんなループが繰り返されています。これは永遠に続く人間の業の可視化だと思うのですが、それはそれとしてはてな鹿目まどかと呼ばれる予定な僕としては、この輪廻を断ち切りたいと願い、筆をとるに至りました。

例えこの後、またこの議論が繰り返されるとしても、僕はいやらしくこの記事をその議論の発端にリプライし続けていこう。それが例えろくに読まれもせず大衆に踏み倒されていく看板だとしても、それを立てることに、意味があったと思いたい。

さて。

まずこの議論をする前に、登場人物を整理したい。よってこうします。 

  時間を守ることが超苦手 そうでもない
遅刻常習犯 時間を守りたいが結果遅刻するハル できなくはないけれど遅刻するナツミ
時間守る人 死ぬ程努力して遅刻しないアキ 普通に時間を守るフユミ

ツイッターランドの面白いところは、この春夏秋冬がすべて「これは自分のことだ」と議論に参加するわけですが、それは違うのです。あなたのことではないのです。

例えば 「死ぬほど努力して遅刻しないアキ」が「できなくはないけれど遅刻するナツミ」対して怒る。これはまあ、感情の動きとして当然です。あなたが漫画家志望として、死ぬほど努力して持ち込んで、やっと連載会議に通ったのを尻目に、サボりながら適当に描いたWeb漫画が編集者の目にとまったがデビューが面倒で連載しなかった友人を見たら嫉妬して、怒りたくなりますよね。当然です。でもそれは議論の余地はありません。

同じように「死ぬほど努力して遅刻しないアキ」は「時間を守りたいが結果遅刻するハル」を理解してあげられるでしょう。ハルはアキを尊敬するでしょう。この辺りは必ずバズったツイートのまわりにぶら下がりますが、多くの人が議論したいのはそこではないのです。

というわけで、各方面への矢印を整理しましょう。

  • 努力遅刻ハル→サボリ遅刻ナツミ:もっと頑張れよ!
  • 努力遅刻ハル→努力時間厳守アキ:すごい!
  • 努力遅刻ハル→時間厳守フユミ:羨ましい。
  • サボリ遅刻ナツミ→努力遅刻ハル:ごめん。一緒に頑張ろう?
  • サボリ遅刻ナツミ→努力時間厳守アキ:ごめん。すごい努力だね。
  • サボリ遅刻ナツミ→時間厳守フユミ:い い た い ことが山積み!
  • 努力時間厳守アキ→努力遅刻ハル:分かる。時間厳守難しいよね。
  • 努力時間厳守アキ→サボリ遅刻ナツミ:ずるい!! 怒るよ!!
  • 努力時間厳守アキ→時間厳守フユミ:頑張ってついていく。
  • 時間厳守フユミ→努力遅刻ハル:わかってあげたいけれどイライラ。
  • 時間厳守フユミ→サボリ遅刻ナツミ:い い た い ことが山積み!
  • 時間厳守フユミ→努力時間厳守アキ:本当に素敵。

お分かりでしょうか。結局言いたいことは時間厳守フユミとサボり遅刻ナツミの間にしかないのですよ。つまり、やればできるけれどやる人、とやらない人がいつも戦争を起こすのです。この地獄への参加資格はこの「やれば時間が守れる人」の間なのです。

というわけで、登場人物を春夏秋冬から夏冬に整理できたところで、夏と冬間で良く交わされる言葉たちをまとめてみましょう。まずこちら。

 

「時間を守らないのは人として終わっている」

まず、大丈夫です、これは努力遅刻ハルには言ってません(念押し)。仮に努力遅刻ハルにこれを言う人がいたとしたら鬼畜野郎なので無視しましょう。でもこれはいけません。何がって、主語が大きすぎる。「人は分かり合えない、だったらみんな死んじゃえばいいんだ!」に近いものがあります。ここはディベートの国。碇シンジ君はエヴァンゲリオンの世界に帰ってください。あのですね、そこまで主語を大きくするなら言いますけれど、遅刻は罪に問われますか? 問われませんよね? 遅刻三回で地方裁判所に呼ばれませんよね? だからあなたの言葉はこう言い換えるべきです。

「時間を守らない人は私の友達にしたくない」

「時間を守らない人は私は嫌い」

何の問題もありません。あなたの友達の好みはあなただけのものですから。

類語:時間を守らないのは社会人として終わっている

言い換え:私が過去仕事で関わった10人の顧客はみんな時間を守らない人を信用しない

 

「時間を守らないのは私を大事に思っていないからだ」

よくありますが、これもあまりよろしくありません。というのも、これはメンヘラの思考に近いからです。「私を見てくれない、私に合ってくれない、私を抱いてくれない、あの人にとって私は必要ないものなんだわ、殺そう」そのままSCHOOL DAYSの世界へどうぞ。

あのですね、人はそれぞれ大事なものがあるわけです。あなただって、大切な顧客資料作成を片付けてから少し遅れて打ち上げにいくことはあるでしょう。その時に「仕事と私どっちが大事なの?」って言っちゃいます? ぜひキンプリの平野紫耀君に「そんなこと言わせて、ごめんな」と抱きしめてもらってください。かぐや様は告らせたい、実写化おめでとうございます。僕は応援します。

その人が遅刻前に何をしていたか、本当に突然の大事な用事に慌てていたか、ただゆっくりしていたのか、それはわかりませんが、証明することは難しいです(ストーカー的に監視カメラでもつければ分かるかもね)。つまりですね、遅刻はあなたが友達として大事かどうかを判断する材料としてとても根拠の弱いものです。

映画「ボヘミアン・ラプソディ」見ました? フレディ・マーキュリーが遅刻して「僕は時計じゃない、パフォーマーだ」と嘯くシーンがありますが、フレディ・マーキュリーQueenのメンバーを大事に思っていなかったでしょうか?

あなたが言うべきは一つです。

「言い訳すんな、私は怒っている、遅刻を謝れ」

(ちなみに別のシーンで、メンバーより早くフレディが来ていたので、フレディを「サボリ遅刻ナツミ」と分類しています)

 

「時間を守らない人はクリエイター気質だ」

これもまた議論を発散させますね。60億も人間がいるんだから、なにかを創作して生きているけれど、時間を厳守する人を探して見つからないと思います? 三島由紀夫は時間を守りますよ。参考リンク貼っておきます。

blogs.yahoo.co.jp

時間を守りたいが結果遅刻するハルか、できなくはないけれど遅刻するナツミか、それだけの分類してください。時間を守らないのを何か別の良い性質の発露だと捉えないように。いや実際そう言う面はあるかもしれませんが、今は遅刻の話をしているのです。クリエイター気質の話をしているのではありません。津田さん、これはそう、あなたにも言っています。遅刻は臨機応変ではない(でもわざとだ、きっと)。

 

「時間を守らなくても連絡はこまめにしてるし、時間も潰せるでしょ?」

時間を守ることを正義というつもりはないですし、それをこれまで丁寧に説明しているつもりですが、それはともかく、相手が怒っている(もしくは怒りそう)のに、逆撫でするようなことをいうのはよくないと思います。これは気遣いの話です。

なお、時間を守らない人は、一応罪悪感を感じているのか実際に着く時間より早く到着予定時刻をLINEする傾向にありますが、遅刻している時点で10分も20分も相手を怒らせるかどうかは変わらないので、素直に時間を連絡するようにしましょう。

「あと10分で(駅に)着く(から待ち合わせ場所までは20分、迷うと30分)」

という代わりに、

「あと30分で着きそう」

と言いましょう。繰り返しますが、これは気遣いの話です。

 

「僕は遅刻するから、君も遅刻していいよ」

これは最低のセリフです。誰もが、心に自分ルールというものを持っているのです。るろうに剣心に「俺は殺すから、お前も逆刃刀やめろよ」と言えますか? 斎藤一役でもやっててください。斎藤一はこんな言い方しないけれど。

あなたが自由に遅刻前の時間の過ごし方を決められるように、時間を守る人も自由に時間を守ることができます。その自由を侵すことはできません。会話は大事ですが、この提案は悪手極まりないので、もう少し会話の練習をしてください。

 

「遅刻は悪なんだから遅刻するやつは死ねよ」

もうちょっと疲れて来たので雑にいきますが、そういうのが戦争を起こして来たんです。いい加減に過去の歴史から学んでください。切嗣に「人間の本質は石器時代から何一つ変わっちゃいない」と言われますよ。そして日本は法治国家です。遅刻した人を殴ったら、あなたが現行犯逮捕されます。なぜインターネットでは言葉で殴っても現行犯逮捕されないんでしょうね。ここが地獄だからですか?

 

<まとめ>

  • 遅刻の議論をするときは「時間を守ることがやればできる」人を対象にしよう。
  • 遅刻は罪ではない。主語を大きくせず、素直に怒っていることを伝えよう。
  • 遅刻は罪ではないが、自分の遅刻を怒っている人には気遣いをしよう。

ちなみに、私はわりと「甘え」で大事な人との約束に遅刻する人なので、時間を守る僕以外の家族とよく喧嘩になります。そして最後は「僕・私がむかつく」と言われて「ごめんなさい」と謝ります。褒められたものではありませんが、まあ、そういうのが、平和な世界なのかもしれません。