■ バーチャルさんは見ている ★★★☆☆
「悲報、Vtuberアニメがあまりに酷すぎてトランプ大統領ぶち切れ」より。
こけ下ろす動画かと思いきや、最後に月ノ美兎委員長をほめるんかい!
昨今話題のVTuber、バーチャルYouTuber、又の名をバーチャルライバー。これは、アニメと言いつつ彼女らを豪華に組み合わせた深夜コント番組風の実験的な作品と言える。第一話から内輪ネタ満載で、なおかつ脚本・構成が今ひとつなのか内輪ネタで全力で突っ走るわけでもなく中途半端な出来になっており「学芸会」「痛い」「出演者がかわいそう」などと言われAmazonは荒れている。
その意見に対しては概ね賛成なのだが、だが、はじめてのVTuberコント番組でタモリさんもダウンタウンも中居正広もいない中で、VTuberをそれぞれプロデュースする企業も異なる中でいきなり成功というのは難しいのではないだろうか。少々みんなのVTuber地上波に関する期待が高すぎたのではないか、と感じられなくもない。
何も知らない僕はといえば、特に内輪ネタっぽい発言はスルーし、ぼーっと眺めている分にはそれほど問題ないアニメだった。かぐや様とか見ていると感情が忙しくなっちゃうので夕飯時とか、FGOの周回ついでとかにはこれぐらいがちょうど良かったりして、なんだかんだ最後まで見てしまったという感じであった。むしろ、この退屈さの中でも月ノ美兎委員長からなにか光るものを感じ、10分で分かる月ノ美兎*1をネットで見てしまったところから沼にハマったのだから、このアニメは少なくとも僕と言う一人を沼に誘い込むことには成功している。それだけでも、星3は硬い。大成功である。
VTuberに愛がある人がこれを見て辛くなってしまう、彼女たちは本当はもっと面白いのに、そう怒りを覚えて冒頭のトランプ大統領みたいになってしまうのはわかる。ヒカキンがさんま御殿に出て適当にあしらわれたのが許せないことと、似た気持ちと思う。でも逆に考えて欲しい、ヒカキンすらその存在感を示すことが未だできない地上波という別次元の媒体において、彼女らがこのアニメでこれまで触れてこなかった僕のような層に少しでもアピールできたとしたら、それは成功ではないだろうか。
このアニメが酷いのは出演者が面白くないからだ、という感想は文脈をある程度読める人であれば抱くことはないはずだ。今視聴者の頭の中には千差万別の「こうすればもっと面白くなった」があるのだと思う。僕にもある。委員長が中居正広的に司会をするトーク番組風に編集すればよかったんじゃないかとかね。これで諦めず、もっといろいろ実験していって欲しい。それを何度か繰り返すうちに、最後には、キズナアイや輝夜月ももじもじと遊びに来るかも、しれないよ。
余談
スタッフロールにブラザーPや三重の人などボカロ黎明期を動画制作で支えたメンバーを見つけて嬉しくなりました。やはりVTuberはVOCALOIDが下地を作った延長の文化なのだと。
余談2
なんだかんだ言ってサブコーナー「委員長、3時です。」は結構面白かったと思う。「てーへんだ!アカリちゃん」も時々ぶっ飛んだ回答は面白かった。
余談3
いつものアマゾンレビューも。
まだまだ実験段階。この作品でアニメ進出を諦めるのはまだ早い。
*1: 初回から委員長のキャラの濃さが光る