お仕事独裁スイッチ

何となく、根底の認識そのものがずれている、気がする。僕は宇宙人なのかもしれない。もしくは、未来から来た猫型ロボットかもしれないし、ムーミン谷をさすらうスナフキンかもしれない。

「やっぱり売れる曲はリズムが大事だと思うんですよ(世界ではヒップホップ全盛ですし)」
「叙情的なメロディにこだわって欲しいんだ(演歌こそ日本人の心だから)」
「えっ、メロディそんなにいりますか?」
「いるに決まってるだろ、前向きに検討してくれ」
「あ、え、うーん、はい」

・・・

「新曲聞いたよ。サビは良いメロディだったね。ただ、何でこの曲ラップ入ってるの?」

 

みたいな会話を繰り返していたら最近イライラしているのか棘のある文章を書くようになってしまって、同僚に指摘されてしまった。疲れた、というより、うんざりした顔をしている、とも言われた。もしかしたらネットに垂れ流す文章にもその片鱗はあるかもしれない。

もし僕が独裁スイッチをもっていたら、この違和感を感じた瞬間にスイッチを押してしまうかもしれない。

アイツともずれている、ポチ。
コイツともずれている、ポチ。
まだ演歌が売れるとか狂気の沙汰でしょ、ポチ。
作曲のコツを作曲した事がない奴が書くなよ、ポチ。
もうみんな消えてしまえ、ポチ。

あ、そんな事しなくても、自分が消えればいいのか。
ポチッ。

 

 

 

 

 

配られたカードで勝負しなければならない、とのたまいながら、舌の根も乾かないうちに僕は、いらないカードは生贄に捧げてより強いカードを召喚すべき、と言う。全ての物事は曖昧だ。未だ演歌にこだわる人達の中で、僕はヒップホップが今のトレンドだと信じ続けている。果たして、生贄に捧げられるのは僕か、あなたか、はたまた、社会そのもの、なのか。