Breezin’/Cornelius

Breezin’
「Music」に続く二枚目のシングル。相変わらずのスタイリッシュなジャケ。


表題曲の「Breezin’」は、電子音の不思議な浮遊感の中、断片的な歌詞がぽつりぽつりと落ちていき、サビではまるで「微風」のようにメロディが耳元を吹き抜けていく…そんな曲。もはや音、一音一音の絡み方はジャズすら思わせる小気味よさだし、それでいて「Point」の曲には少し欠けていた、キレイなメロディによる高揚感がある。本当に、実験性とポップさが絶妙なバランスでブレンドされている。


そして、もう一つの注目曲がYMOのカヴァーである二曲目の「Cue」。ギターの揺らぎを多用する、いつも以上に音の隙間が多い空間の中、気怠いメロディが歌われていて、素敵なカヴァーになってる。絶妙なタイミングで鳴る、ピチカートストリングスの「キュッ」って音が特に格好いい。一音だけで人を酔わせられるこの人は本当に凄いなあ。


ちなみに僕は原曲を知らないのだけど、普通に彼の新曲として楽しめる。この曲、アルバムには入ってないので、ぜひこのシングルで聞いて欲しい。


三曲目の「Fit Song-The Books Remix-“eat white paint”」。これもカヴァーかな?良く分からないけれど。音のフリージャズって感じで、一番好き放題やってるように感じる曲。


そして相変わらずの四曲目「Kling Klang」では、約33分風鈴みたいな音が鳴り続ける。清涼感?良く分からないけど、個人的にはギターの残響音が同じくらい続く、前のシングルの「The Star Spangle-Gayo」のほうが好き。しかし、この二曲合わせれば、新手のリラクゼーションCDみたいになるな。


とにかく、コチラも素敵なシングル。アルバムが楽しみでしょうがないです。