異世界はスマートフォンとともに。 を見たよ

★★★☆☆

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この雑なハーレム感が売り。

 

虚無がすごい。時代考証とか世界観設定とか独自のキャラ造形とか、そういうのすべてサボってみんなが期待しているシーンをつまみ食いだけしてできた作品。主人公など最たるもので、作者が転がしたい話に応じて、ある時は冷酷にある時はラッキースケベを狙うエロキャラにと二転三転しパーソナリティが定まらないところで一貫している。
しかし、さすがにここまでやりきった作品は珍しく、なんというかそれが不思議なゆるい空気を生み出しており、それがオリジナリティになっている気がしなくもない。

 

この内容の薄さを「読者(視聴者)に一切のストレスを与えない」まで昇華するとToLOVEるの原作になるのですが、そこまで突き抜けたエロもなく読者はストレスを感じているので、これはその域には達していない。いないのだけれど、アニメ化はしちゃった。なんだろう、やはり虚無。こういう作品が出てくると、そろそろ「なろう系」の衰退を感じたりする。

 

ギャグにするにはテンポが足りない。
エロにするにはラッキースケベが足りない。
バトルにするには設定が足りない。
たまに(4話と11話おすすめ)面白い。
不思議な不思議なアニメ。まるで将棋だな。

Rewrite 1st/2nd season を見たよ

★★☆☆☆

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金髪オッドアイロリ美少女が戦闘をする図。

 

key こっちに進むのか……というのが大まかな感想。

これまでの「恋愛ゲームのルート分岐にきちんと意味を持たせるシナリオ」「頭のちょっと弱いロリ系女の子」という根幹は変わらずにセカイ系能力バトルにシフトした今作。これを見ると、シャーロットはこの後継だなと思ったりする。 ただ、そもそもkey の登場人物を能力バトルの世界に放り込むのは無理がある。ありすぎる。風子ちゃん内戦地域に放り込んだら3秒で死ぬよ多分。眼帯ロリ系美少女がダンディなおじさまと銃で打ちあうのはさすがに絵的にキツイ。担当会社のCC作画によるモンスターもだいぶキツイ。5年前ぐらいの作画? という感じ。

 

ただそんな中でも「keyらしさ」というか、センチメンタルを畳み掛ける過剰さとか、理屈は分からないがとにかく泣けるシーンとか、環境問題に見せかけた人間賛歌というテーマとかその辺にいいものはあるんだけれど、いかんせんCLANNADリトバスと比べると舵を誤った感じがすごいです。keyの「素人っぽさ」が悪い方向に出ている気が。これだと原作をやる気になれない……。

社会人映画本棚。

<この記事の見方>
・評価については以下の通り
☆☆☆☆☆ 時間の無駄
★☆☆☆☆ 全く合わない
★★☆☆☆ 視聴が辛い・オススメできない理由あり
★★★☆☆ 楽しく視聴できた
★★★★☆ オススメ
★★★★★ 大好き・影響を受けた

2016年視聴

■ シン・ゴジラ ★★★★★
  シン・ゴジラ感想1 - 日本の底力を見せつける傑作 ★★★★★
  シン・ゴジラ感想2 - よくある質問調で
  シン・ゴジラ感想3 - エヴァ:Qとの関連性(3.11以降の日本で希望を見出す物語)
■ 君の名は。 ★★★☆☆  

■ 聲の形 ★★★★★
■ 何者 ★★★★☆
■ この世界の片隅で ★★★★★
■ 劇場版 艦これ ★★★☆☆

(過去作)
■ ダンサー・イン・ザ・ダーク ★★★★☆
■ ガメラ2 レギオン襲来 ★★★☆☆
■ 桐島、部活やめるってよ ★★★★☆

2017年視聴

■ ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 ★★★☆☆
■ ソードアートオンライン オーディナルスケール ★★★☆☆
■ 美女と野獣 ★★★★☆
■ ノーゲーム・ノーライフ ゼロ ★★★☆☆
■ ダンケルク ★★★★☆
■ 劇場版 Fate/stay night Heaven's Feel I. presage flower ★★★★☆
■ GODZILLA 怪獣惑星 ★★★★☆
  GODZILLA 怪獣惑星 を見たよ - 夕べの夕陽の眩しさの理由。
■ スター・ウォーズ/最後のジェダイ ★★★★★
  スター・ウォーズ/最後のジェダイを見たよ - 夕べの夕陽の眩しさの理由。

2018年視聴

■ 勝手にふるえてろ ★★★★☆
■ シェイプオブウォーター ★★★☆☆
■ ボヘミアン・ラプソディ ★★★★☆ 

(過去作)

■ 打ち上げ花火下から見るか横から見るか ★★☆☆☆
  打ち上げ花火下から見るか横から見るか。感想 - 夕べの夕陽の眩しさの理由。
■ 夜は短かし歩けよ乙女 ★★★☆☆
■ レディプレイヤーワン ★★★★☆
■ シャイニング ★★★★☆
■ 銀魂 ★★★☆☆
■ さよならの朝に約束の花を飾ろう ★★☆☆☆
■ 劇場版 PSYCHO-PASS ★★★☆☆

 

続きはドラえもんゴジラジブリ

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GODZILLA 怪獣惑星 を見たよ

ゴジラ映画というのはそれはそれはたくさん作られていまして、

動員数が振るわず打ち切られても必ず誰かが復活させるという点では、

まさにゴジラのごとく不死身の幸せなコンテンツなのだけれど、

たくさん作られているからゴジラの「定石」というのは複数あって、

「これこそゴジラ映画」という条件は人それぞれ異なるのである。

 

この映画の「これこそゴジラ映画」という要素といえば、やはり、

宇宙人が出てくるハードSFという部分である。

しかし、これは僕のようなゴジラオタクはともかく、

大衆受けはそんなによくない要素なのだ。

 

ゴジラ映画作品の一覧 - Wikipedia

上記サイトから、宇宙人要素が入っているゴジラ映画を抜き出すと、

怪獣大戦争X星人

怪獣総進撃:キラアク成人

・地球攻撃命令・ゴジラガイガン:M宇宙ハンター星雲人

ゴジラ対メガロ:同上(名前のみ)

ゴジラ対メカゴジラブラックホール第3惑星人

メカゴジラの逆襲:同上

ゴジラ2000 ミレニアム:ミレニアン

ゴジラ FINAL WARSX星人

なのだが、なんとなくパッとしないラインナップだと思わないだろうか。

 

昭和ゴジラは邦画不振による予算削減と、

過度な子供狙いによる陳腐化が蔓延してた頃の作品が多く、

ミレニアムシリーズはすべてパッとしない。

逆に、快進撃を続けた平成のVSシリーズでは、未来人や小美人はでてくるものの、

宇宙人は一切出てこなかったりする。

 

というわけで、ゴジラが宇宙人を取り扱う時には、

あまりヒットしないの法則があるように思う。

 

ゴジラはそもそも生物のくせに放射熱線というビームを吐くSF生物なので、

ゴジラがいる世界には宇宙人だっていていいだろというのは、

至極妥当な論理だと思うのだが、

ヒットしている噂を聞くとゴジラを見にいくようなライト層には、

宇宙人まで出してしまうと荒唐無稽な印象になるのかもしれない。

未来人や小美人はセーフでもね。

 

さらに悪いことに、今回のゴジラは緑に侵食されきった10000年後の地球がテーマだ。

これも売れないゴジラ映画にありがちで、

都市部の破壊がないゴジラ映画はヒットが少ない。

やっぱりゴジラには街を蹂躙して欲しいものなのだろう。

 

しかし、個人的にはこれらのネガティブ要素が合っても結構楽しめた。

それはやはり虚淵氏得意の「仕掛け」が大きい。

この映画は、90分間ほとんどがすべてフェイントでできているのだ。

まどマギの3話までをまとめた映画というと正しいか。

最初の方の地球を捨てて宇宙に旅立った人類の辛気臭い旅描写も、

(白状するが僕はここで少し寝た)

再び地球に降り立ち、ゴジラと貧相な武器で頑張って戦う場面も、

すべてはフェイント要素でしかないのである。

 

この映画の見所は最後の10分にある。

真のゴジラが地中から現れ、全員がなすすべもなく敗走し、

傷ついた主人公がメカゴジラの断片とSF的美少女を目にする。

 

マミさんが首を千切られて

「これはハッピーな魔法少女ものではなくハードSFです!」と

宣言したシーンさながらに、

 「これはハードSFではなくゴジラVSメカゴジラの三部作バトル映画です!」

 と宣言するのである。正直、しびれた。

男の子はいつになってもメカゴジラと美少女に弱いのである。

 

とはいえ、実はメカゴジラというのも、その知名度に反比例し、

こけた映画の方が多いゴジラ要素だったりする。

実は、大成功したメカゴジラって平成のVSメカゴジラだけで、

そのあとは釈由美子乗せたりして散々なのである。

(まあ、僕は機竜も結構好きなんだが・・・)

多分、モスラキングギドラに比べて女の子に響かないから、

「家族受け」しないんだろうと思う。

 

だから、この映画三部作は切ないことにきっと最後までヒットしないだろう。

しかし、シン・ゴジラが王道要素でヒットすることを見越し、

ゴジラ映画のニッチな要素側で突っ走ろうとするその「オタクっぽさ」と、

まるまる一作を三部作の序章として贅沢に使った仕掛けは、

さすがの虚淵氏の匠の技が光っていて素晴らしいと思う。

眠くなる宇宙船部分はもう少しなんとかなった気がするけれど、

まあ、まどマギも2話だけ見てるとだるいしこんなものかも。

 

さて、次回は「決戦起動増殖都市」。

タイトルだけで500点だ。

これでメカゴジラでてくるはずだと思うとわくわくが止まらない。

多分今回より上映館数減るけれど、

多分今回より楽しみにして僕は初日に見にいくのだろうと思う。

 

 

movies.yahoo.co.jp

◇Yahoo映画にも投稿しました。

 

マジカルミライ 2017 9/3 午後に10周年の初音ミクをみたよ

初音ミクのライブってそれぞれ色があって。

ニコニコ動画の雰囲気と演出が主体のボカロライブとか、都内で行われているボカロDJのライブとか、いろいろあるんですけれど、その中でも特に「ミクがそこにいる感じ」を大事にして演出するライブ、というのがマジカルミライ、というイメージ。

つまり、ミクは早着替えも空飛びもなんでもできるけれど、それをあえてしないで、基本的に制服で踊りながら歌う、という演出をするのです。

今年の初音ミク10周年、とりあえず、10年経ったミクさんを見るという意味では、このライブがベストかなと思って見に行きました。

 

席は真ん中の後ろの方。ミクはとっても小さくしか見えないけれど、そのせいもあってもうミクがそこにいるようにしか見えない、というのが後ろの席のいいところ。

なんか普通にミクがライブステージにいるような感覚にどきどきします。

 

選曲はミクのテーマソングとも言える「みっくみっくにしてあげる」のロングアレンジ版からはじまり、やはり10周年ということで、初音ミクをボーカルに据えた名曲が多かったように思います。

 

マジカルミライは初音ミクというアイドルのライブという感じなので、僕好みのアーティスト性が前面に出た曲は少なめなのですが、それでも、

・おもちゃ箱のような音がどこかエレクトロニカっぽい「ツギハギスタッカート」

・北欧のキラキラした音とメロディがどこまでも美しい「Birthday」

・90年代のロックを歌いこなすMEIKOが格好いい「忘却心中」

のような曲を選んでくるところに、選曲者の愛を感じたり。

 

そして僕が一番期待していた過去曲アーカイブ5曲。毎日セトリが違うとのことで話題になりましたが、千秋楽の5曲は、

・お茶の間についにミクを届けた「千本桜」

・ボーカルを変えるとアレンジも変わる試みがオシャレな「右肩の蝶(レンver.)」

・アイドルにはそぐわないガチロックでリンのキンキン声が生える「孤独の果て」

・どういう発想からこの曲ができたか謎な「いーあーるふぁんくらぶ」

・ダブルラリアットという言葉から「自分の手の届く範囲」を歌うという発想が鮮やかで感動的な「ダブルラリアット

と、いう感じで、右肩の蝶とダブルラリアットが聞けたのが特に嬉しかったですね。というかダブルラリアットのだんだん手の届く範囲が広がっていく歌詞が初音ミクの10年と重なって勝手に感極まってました。もうだめだ、思い入れが強すぎて冷静じゃない。

 

そこからは新しい曲達を挟み、メルトで一旦閉め。メルトのギターをアンプに刺すイントロの音、何度聞いてもいいですね。ギターをアンプに刺す音から始まるのに、そのあとの音が電子音から始まるのすごく面白くないですか?

 

アンコールは、実に皮肉な10周年のプレゼントで、そのヒップホップなノリが異彩を放つ「砂の惑星」とlivetuneの曲で大団円。

 

アンコール2は、歌詞が前面に映し出されて、みんなでハジメテノオトの合唱でした。いや、10周年でこの曲が使われるのはもはや予想通りなのですが、会場でみんながミクと一緒に歌い始めてやっぱり泣いてしまいました。この曲はそもそも「機械が感情を理解しないゆえの純粋さ」という僕の弱い部分を刺してくる上に、

変わらないわ あの時のまま

ハジメテノオトのまま

という歌詞が10年越しに響くのだから、それはもう無理というものです。ボロボロでした。

 

そして。最後にミクが挨拶したのですが、嗚咽に耐えながら泣きながら話すという演出(ここはあえて僕は演出と書きますよ)があって、なんだかちょっとくすっと笑ってしまいました。

 

基本的に話すのは苦手で、初音ミクに自然に喋らせるのは本当に一部の人しかできなかったところから始まったミクが、10年の時を経て、声優さんの演技をトレースして、本当に涙声で話すことができるようになって。でも、それはやはりトレースで、どこか初音ミクの本当の声(初音ミクの魂のようなものがどこかにあるとして、ですが)ではないような気がして。

そんなぎこちなさが、ふとかわいいなと思ったのでした。

 

初音ミク10周年。何かが変わるようで、実は何も変わらないのかも。

今でも、ミクはぎこちないし、早口は得意だけれど感情を表現するのは下手だし、

でもそんな彼女にしか歌えない歌があって、

その彼女が歌ってくれることによって、

これまでかかえこんでいた自己を表現することができた人たちがいる。

そんなことを改めて感じたライブでした。

 

www.nicovideo.jp

 

追伸

親切に後ろから肩ポンポンしてくれて「キンブレ(光るやつ)使いますか?」と言ってくれて、使い方に迷うたびに後ろからさらに肩ポンポンして教えてくれたお兄さん、本当にありがとうございました!

お兄さんのおかげで10周年にサイリウム振れなかったという、心のしこりを残さずに済みました! これからは、物販で買えないことも覚悟して予備持っていきます!