日記3

親愛なる日記さん、あなたはいったい誰ですか?



三日目にして、日記を書くということに未だ違和感を感じている。
僕だけが楽しければいいというスタンスで、閉じた日記を書こうとしたのに。


ええと、今日の晩御飯は、大根と人参と豚肉の煮つけが美味しかった。
あと、そうだな……宿題のプログラミングが、すんなりとうまくいって嬉しかった。


でも、ヨッシーアイランドDSがあまりに難しくて、今はいらいらしてる。



……いや、なんだかおかしい。どこか違和感がある。
こんな文章の羅列が日記帳ならば、僕はためらいなくそれを破り捨ててしまうだろう。


ああ、そうだ、今やっと素敵な書き出しが思いついたよ。
かなり使い古された言葉だけど、いままでのやつよりはまだましさ。




「夢を見たんだ。」


一時限目、数学のような論理学のようなよくわからない授業。
昨日はわりと早く寝たのに、どうしても睡魔をこらえ切れなくて、
iPodのイヤフォンも外さないまま、机に突っ伏した。


気付いたら僕は心地よい疲労感とともにホワイトボードを見つめていて、
どういうわけか、お菓子の最後の一つを目の前で食べられた時のようなやるせなさを感じていた。


エキサイティングな夢だったと思う。
密林の中をたくさんの友人達と走り回っていた気がする。


そう、今日はこのことを日記に書こうと思ってわくわくしたっけ。
その肝心の内容が空っぽになってしまっているけれど。



……結局僕は、日記に書こうとした夢を忘れてしまったことを、日記に書いたわけか。
なんだか、楽しくなってきたぞ。これがまさに、日記らしい日記だよ。


そう思うだろ、日記さん。
少なくとも僕は、そう思うよ。


「探り探りの日記調」2007.4.17.0:10am