日記2

夜更かしが癖になってしまった僕にとって、教科書はとてもいい枕になる。
こんな風ではいけないなと思いながら、眠気に負けてまた――パチン、OFF。
スイッチを切った視界にあるのは、いつだってのっぺりとしたただの暗闇。
さすがにこれで素敵な夢なんて見たら、真面目に授業を受けている人達に申し訳が立たない。


そんな中、久しぶりに大学の授業で面白いものに出会った。
単位の有無以前に、純粋に聞き逃すのがもったいないと思える授業。
僕の大好きな分野である、ロボットに関する授業だ。


教授は、デディベアの形をしたコミュニケーションロボットを持ってきた。
一部の言葉に対して受け答えができ、そして目の前の人物を注視できる。


ただ、五歳児の声がインプットしてあるのには、生理的な恐怖を煽られたけれど。
夜中にいきなりデディベアが、子供の高い声で「こんばんは」と言ってきたら、背筋が凍る。


どうやら、ロボット開発と言うのは、まだまだ難儀そうだ。



もし僕がロボットを開発するとしたら、一体どんなものを作ろうか。



聞かれてもいないのに、以下の言葉を独り言のように繰り返し口にするロボット。


「僕達の生きている意味って、なんだろう。」
「愛って言うのは、生存欲求とは違うのかい。」
「世界の終わりっていつ訪れるのかなあ。」
「それにしても因数分解って何の意味があるんだろう。」


そして、適当なことを返答するとこうやって返すのだ。


「簡単に答えを出すなよ。こういうのは過程が重要なんだからさ。」


これはいいや。僕ですら簡単にプログラミングできそうだ。
人の話に相槌を打つ機能を追加して、彼女の愚痴聞き役を任せてしまえ。


次の日にはバットか何かで、粉々に粉砕されてそうだけれどね。


「中ニ病ロボット」2007.4.15.23:15pm